あかんたれブルース

継続はチカラかな

トークもダメ 腕力もからっきし。でも

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図書館で借りていた『近世怪人伝』をいくらなんでも
もうそろそろ返さないいけない(汗)。

で、ちょっと番外ですが頭山の盟友で玄洋社の進藤喜平太やります。(↑)写真の人。

頭山のサナダムシ事件に同席していた、とぼけた男です。

この方は玄洋社社長。
初代、いや二代目、三代目と諸説色々ありますが、
三代目というのが定説とされています。まあそんなことはいいか。

玄洋社社長といえば、進藤喜平太であり
進藤喜平太といえば、玄洋社社長なのです。

頭山とは最初からの同志、盟友、親友であります。

この人、泣く子も黙る政治家元老裸足で逃げる行動派玄洋社にあって
からっきし腕力とかなっかった。柔道もやらない。
よくヤリ手のキャラを「口八丁手八丁」っていいますが、
とにかくなんにもない。
温厚で腰が低くて貧乏臭くっていや質素かな。地味なキャラ。

しかし、ひとたびこの進藤が笑えば周囲は息を呑みました。顔面蒼白

相手が博多一の侠客であろうが、九州一の壮士であろうが、
ニコニコと近づいて「やります」
しょんべんを面体に浴びせる、二階から投げる。火をつける。

その行動まったく冷静そのもの。

人間なにが恐いかって、死を恐れない者ほど恐い者ありません。
無敵といってもかまいません。

進藤はそういう男でした。


彼は陽明学の実践者だったんでしょうね。
ある日、二人の我が子に「泳ぎを教えてやろうか」と伝馬船に乗せて
浜辺から4キロほど先の小島(鵜来島)に連れていって、
「じゃあねえ」と置き去りにして帰った!

子供はパニックですよ。上の子は顔面蒼白
すぐ父の後を追って飛び込みます。めちゃくちゃの泳ぎで必死に海岸にたどり着く(涙)

下の子はまだ8歳ぐらいで、そんなことは出来ない。
ひとり小島に取り残されてワンワン泣いていたのを漁船に助けられたとか。

これをスパルタ教育といっていいものなのか・・・

以前、この記述を読んで結構強烈に脳裏に焼き付いたのです。
たまに思い出します。ひとの親として
きっと遠目から見守ってたんじゃないか。とか
プールと違って海って泳ぎやすいんです。とかね。

でも、下の子は結局漁船に救出されたわけですからね(汗)。
まったく額面通りです。



無欲で親切。

進藤喜平太はただそんな人間でした。

天下国家を論じない。芸らしい芸もなく国士らしい気分もなく
人格者らしい気節も見えない。
遠慮深い田舎親爺に見えたと夢野久作は言う。

進藤が死んだととき、頭山満はこう言った。

「あの男が死んだ後、俺は玄洋社が無くなった樣な気がしている」




杉山茂丸伝(外伝)●頭山満の友達○進藤喜平太
こんな英雄こんな豪傑こんな漢もいるんですね。