あかんたれブルース

継続はチカラかな

憑依と呪いと救世主

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明治以前のこういった神経症に「癪(しゃく)」というのがあります。
時代小説などにたまに出てくる。「持病の癪が出まして」とか

癇癪の癪。「癇のむし」、癇と癪でワンセットの心因性の疾病だったんですね。
非常に一般的なものだったようです。

さて、明治になって、
近代国家の道を歩みはじめて、「学校=学ぶ」というのことが
就職、栄達(立身出世・国に貢献)という図式に直結しました。

そのなかで、ある種のインテリ層が「うつ」を生じていきます。
このピークが日露戦争だという。

「うつ」神経症。この頃なら「神経衰弱」ですかね。)の原因には
「脳の酷使」であり「心配と不安、ジレンマ」によるとされます。

では、知識層以外にはそういう症状はなかったのか?
「心配と不安、ジレンマ」はなにもインテリ層の特権ではありませんよね。
生活苦や厄災や不幸は社会全体に裾野をひろげています。
前出『明治の精神異説』では、それを「憑きもの」の現象だと指摘する。

キツネやイヌのけもの霊に取り憑かれる。今でも特番でやっています(笑)。

こういう憑依が下々の精神疾患のメイン症状だったといいます。
面白いのは地域によって憑くキャラクターが異なる。
狐だったり狗だったり、はたまた天狗だったり・・・
もっと、面白いのは浄土真宗の檀家(門徒)地域では皆無に近いほど少ない。

このことから、夢のないことを言いますが、
この憑きもの騒動には思い込みや暗示のヒステリー現象の疑いが生まれます。

さらに、不思議なのは時代のトレンドがある。

明治以前の憑依トレンドは「狐、狗、はたまた天狗」などなどですが
維新後、文明開化を経て天皇制が浸透すると、「神憑り」という
「神様」に代わります。

尊皇思想が民衆に浸透した結果でしょうか。
だいたいが神道系です。

これが明治の一大信仰宗教ブームになる。

金光教丸山教黒住教天理教大本教などなど・・・
共通するテーマはひとつ「世直し」

こういう傾向は今で続いていますよね。


私にも時々憑依します。
七人の侍』の志村喬とか稲葉義男とか
インディージョーンズ』のハリソン・フォードとか
冬のソナタ』のペ様とかスミダアアアア(涙)





「鬱」は文化の烙印?(4)

関西には天狗がいる。は以前記事にしました。
こういった明治期の新興宗教は関西、それも京都、たとえば綾部地方とか
ある特定の地域から発生している傾向があります。
この件は妃嬢が調査に乗り出します。
場所は京都の霊界震源地「貴船神社」だ!

画像は
http://www.netcity.kita.tokyo.jp/kitsune/kitsunemen/kitsunemen.htm
より拝借しました。魔除けにどうぞ。