あかんたれブルース

継続はチカラかな

【政局としての明治】其の三

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●第三代・第一次山県有朋内閣
明治二十二年十二月二十四日~二十四年五月五日

 山県は軍人出身であるが権力志向の強い官僚政治家であり激しく民党側と対立した。同じ長州閥でありながら伊藤と山県の考えは違っていた。第一帝国議会議席は圧倒的に民党側(政府系が四十一名:自由党系一三〇名+改進党系四十一名)が有利であった。この点からも政党政治に理解を示す伊藤博文は山県に内面指導を勤めたが山県は拒絶する。
 海軍増強の予算案をめぐり両派は激しく対立し膠着状態に陥る。山県は黒田同様に諜略工作として立憲自由党土佐派を懐柔することで予算を通したが、大幅な修正を余儀なくされる。
 山県は解散という伝家の宝刀を振り上げても振り下ろすことができず総辞職してしまう。

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(余談だが、とは言わない)
 なんてったて、藩閥に対して野党の絶対多数ですから山県がいくら策を弄しても
 どうにもなりません。
 彼は軍人というよりも官僚政治家タイプですが、その政治能力は伊藤に対して
 一歩も二歩も劣っている。
 彼の政党嫌いは生涯続きますし、明治という時代は同じ長州閥の山県と伊藤の
 暗闘といってもいいかも。
 伊藤の妻梅子も魅力的。馬関芸者出身とのことですが女郎だったそうです。
 伊藤暗殺の影に山県在りとの噂は現在でも根強くあります。
 ただ、その手先を杉山茂丸というとんでもない推理が横行しているようですが、
 これはまったくの的はずれ!

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(お金お耳袋)
 杉山茂丸は作家夢野久作のお父さんです。明治、大正、昭和に暗躍した政財界の黒幕、人形使い
 ここでいう人形とは政治家と実業家を指します。で、昭和十年七月に脳溢血で倒れ、十九日に死去。
 久作はこの父親の残した借金返済に奔走、翌年三月、すべての整理を確認して「わははははっ」と
 大笑いしたと同時にこれまた脳溢血で急死してしまうという数奇な最後。
 夢野久作『近世怪人伝』がオススメ。頭山満とか玄洋社の愉快で怖いメンバーの逸話も涙もの。
 伊藤の妻梅子は山田風太郎の『エド舞踏会』(伊藤博文夫人の項)がオススメ。
 これは小説フィクションではありますが、梅子と伊藤と井上馨の考察にはよろしいかと思います。
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(外見お耳袋)
 山口組の武闘派かつ経済派の後藤組組長の顔って、らしくない、ですね。
 ヤクルトの古田がすっごく野球が上手かった。というぐらいのギャップを感じます。
 外見に囚われてはいけないか、男の顔は履歴書か。選択を迫られるところ。
 あなたはどっちだ。