ピーピング・トムの末裔たち
いい絵でしょう。トリックスターさんのところで見つけました。
大急ぎで「ゴデイヴァ夫人」をウィキペディアで検索。
こういうことに情熱を燃やす馬太郎はスケベか美的好奇心が旺盛か?
ジョン・コリア作「ゴダイヴァ夫人」。1898年頃の作品だそうです。
なんという清楚で可憐で美しい。芦毛馬と赤が効いている。
ゴダイヴァ夫人とは
夫レオフリックの圧政に苦しむコヴェントリーの領民を哀れみ、
彼女はことあるごとに夫を諌めたという。
美しい妻の度重なる要請にうんざりしたレオフリックは彼女を諦めさせるため、
「裸で馬に乗り城下を巡回するのであれば言い分を認めよう」と応えた。
しかし夫の思惑に反し、彼女は「当日は外出せず戸や窓を閉めよ」
とする布告を発した上で、本当に裸身で馬に乗り城下を練り歩いた。
領民たちは彼女を支持し、布告の通り屋内に引き籠った。
しかし、ひとり仕立て屋のトムという男がこっそり夫人の裸身を覗き見たために、
神罰を受けて失明した(ピーピング・トム)。
レオフリックは彼女との約束を守り苛政を改めたといわれる。
イングランドに伝わる伝説だそうですが、この伝説、凄味があります。
ピーピング・トムとは覗き魔、「出歯亀」にあたる言葉。
彼の気持ちもわからないではないが、やはり天罰がくだるな。
「出歯亀」以前に、この行為はやはり卑劣なのだと思います。
ゴダイヴァ夫人の姿が美しければ美しいほど、罪深いと思うのだ。
綺麗事でもなんではなく本能の問題でもなく
偽りの障害者手帳を取得するものにも
責任を回避する役人にも
義務をはたさずに権利を訴えるものにも
田母神論文をもっともらしく問題視するニュースキャスターにも
顔がみえないことをいいことに本音という名の罵声を浴びせるものにも
他人を否定することで自分を守るものにも
拝金主義者にも個人主義者にも利己主義者にも御都合主義者にも
ありとあらゆる裏切り者と偽善者に天罰はくだる。
ゴダイヴァ夫人を見よ。
陰陽四十八手(番外)出歯亀千年地獄