あかんたれブルース

継続はチカラかな

俺のどんぐり



秋の散策で、どんぐりを拾った。

なんか可愛かったので

むっつ、ななつ、ポケットに入れて持ち帰り、
スキャナーの上の箱に入れておいたのが
先月の末のことだった。

その数日後、細長いどんぐりを見つけたが
気恥ずかしくて
手にはしてみたが、それはそのままにしておいた。

一昨日の日曜日に、今度は豆のような小さなどんぐりを発見。

たまらずに、持ち帰ったのだった。
こんなことなら前回の細長いどんぐりもゲットしておけばよかったなあ。
別に食べられるわけじゃないんだけどさ、なんとなく。

でも、冬支度をするリスのようで
なんとなく楽しい。

うちに帰って、スキャナーの上の箱にそれを取り出して置いた。

それから暫くして

ふと

前のどんぐりは・・・

気になって、箱の底をまさぐるけど・・・

ない。

まさか

妻は風呂に入っていた。

ガバッと風呂場の扉を開いて

「ねえ俺のどんぐりは?」

「えっ?」

妻は髪を洗っていた。

「いらないと思って捨てたよ」

「い、いらないって、俺のどんぐりじゃないか!」

妻無言。

お、俺は・・・ 俺のどんぐり。

釈然っとしない。

リビングに引き返して、行き場のない理不尽を叫びたかたった。

Kちゃんがみつめていた。

「捨てちゃったってさ」

Kちゃんが苦笑いした。

「俺のどんぐり、」