あかんたれブルース

継続はチカラかな

こんな首領・・・ダメじゃん



石光真清は上原勇作の僕(しもべ)だった。

そりゃねえ、上原は児玉の次の次の次の参謀総長ですから
民間とはいえ軍事探偵だった石光の上司にはなるだろうけれど、
落合氏のいう手下はそうじゃなくて、
上司部下とかそういった組織の建て前じゃなく
石光は薩摩ワンワールド結社の工作員で、上原はその首領というニュアンス。
つまり上原は服部半蔵で石光は伊賀の下人という絶対関係だと。

その関係は石光が参謀本部附の軍事探偵だったころから
すでに出来上がっていたという。しかし、

石光真清の手記』(息子の石光真人がまとめたもの)
にはそういった記述やニュアンスはまったくない。

これは文庫本にして全四冊。単行本で厚さ62mmの大長編(全1183頁)だ。

しかし落合氏は、そこに書かれていないところに真相は隠されているという。
でも、それは・・・無茶苦茶な論法だよ(汗)

たしかに子息の真人氏は作品としてまとめるにあたって
大幅にカットしたとある。でもね、たとえカットしたとしても
これを読む限りで上原という存在を意識するだろうか?
わたしはしない。

で、一箇所だけ上原が登場するシーンがあります。
明治三十六年七月に少将の上原が大連に訪ねてきて石光と会っています。
「(石光)の境遇や将来の方針、経済状態まで詳しく質問して労を謝した」
とある。
これだけです、これだけだけれども、これから察して
上原は石光とさほど親しくない。というか石光のことをあまりよく知らない。

当時、上原は工兵監で、これは欧州出張の途中でしょう。

さて、この事務的な二人の会話を、逆に怪しい不自然とするでしょうが
まあ、石光の手記を全部読めば、読解力があれば、そんな捉え方はしない。

で、ありもしないことで詮索するよりも、だ。100歩譲って
もし、仮に、上原が石光の「真のボス」だとしたら

上原勇作はとんでもないアホになってしまう。

これは、薩摩ワンワールドの前ボスの高島鞆之助をアホとして
それがそうだと薩摩ワンワールドもアホ集団になってしまうのと
同じ論法です。


こんな無能なボスに石光が使われていた。という以上に
上原は石光に何を与えたか。なにを目的として行動させていたか。
そして、上原は何をやったのか。

次はもう一人の僕(しもべ)、日野強です。




分類は「若宮」
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