あかんたれブルース

継続はチカラかな

紅葉と昂揚の休日



新宿駅中央線のホームで春風さんを待っている。
カバンのなかにこの間買ったグリコアーモンドキャラメルがあったので
ひとつ口に入れてみた。

酸っぱい。

腐ってたのかな? 箱を確認したらイチゴ味だった。

三十分遅れで春風さん到着。迷ってしまったという。
どうも彼、東京に不慣れなようだ。
豊田行きの豊田を愛知の豊田とカン違いしていた。
どこか浮世離れした青年とみっつ電車を見送って高尾行きの特別快速に乗る。

話ながら行く電車の旅、あっという間に高尾に着いた。けれども
私達はそれに気づかない。
他の電車の通過待ちかな・・・にしても長い通過待ちだな・・・
やっと電車が動いたよ。えっ、反対方向に!
次の駅で乗り換える。なんか酔ってもいないのに酔っぱらいみたい。
もう一度、高尾へ
12時38分の電車に乗り換えるホームへ
そこに先発の別な電車が停車していた。
「これに乗るんですか?」
「これは東京行きと書いてあるから乗ってはだめです」
「千葉に行くのでしたっけ?」
「千葉は反対です。山梨に行くのです」
「ははは、そうなんですか」
「とっほっほ、そうなのです」

なんか外国人を相手にしているみたいです(汗)

自由人さんからの電話が入った。
駅前のロータリーで待ち合わせた。
3つめの駅で下車。改札を出て左に曲がって・・・んん?
これはロータリーじゃないなあ。反対側だったかな?
踵を返して向かうと電話が鳴った。
「馬太郎さんどこ行くんですか、そこで良かったんですよ」

あそこが、ここではロータリーなんだという。
遠目からチラッと見えたのに引き返していったので
焦ってケータイを鳴らした自由人。

レース使用メルセデスベンツで迎えにきてくれた爽やかな男。
口元がセクシーだ。
クルマにはこだわりがある。ツードアで座席はふたつ。
わたしは奥のベンチシートに転がされた。なんか誘拐されたようでときめいた。

田舎だ! 川も流れている。
紅葉に彩られた山々。マジ旅行にきたよう。

ということで、昨日はJJ. 自由人ごん太郎の家で第二回三人会議でした。
その前日の夕方
「やりましょう」ときて
「いいよ」「いつがいいですか?」「いつでもいいけど早いほうがいい」
いったん電話を切って春風さんと相談したあとで
「では明日ということで」と。

急な話でした。しかも平日(汗)
それでも支障がないのがこの三人の味ってものかもしれない。

与えられたリングで、ルールで、勝負してもだめだ。
柔軟な発想でしか問題の解決はできない。
各論に目を奪われずに、本論を捉えてそれを変えれば
おのずとすべて解決する。
それには、「我慢」や「命令」じゃだめ。誰も聞き入れない。
まず、私達が「楽しむ」ことが大切です。

で、どうだったのか?

第二回、三人会議
楽しかったです。

いま、わたしは、これ以上の娯楽や快楽を知らない。
時を忘れてしまう。

アッという間に夕暮れとなり、外ではコヨーテが鳴いている。
七時半をまわっていたので後ろ髪を引かれる思いで暇乞いをしました。
帰路も春風さんとの三人会議は続きます。
幽体離脱した自由人さんがわたしの膝で微笑んでいる。
車窓に映る姿に、ああ、いつの間にか髪の毛が薄くなったと。
後ろ髪だけじゃなくて前髪も置いてきてしまったようです。
自由人よ今度持ってきてね。わたしの後れ毛

春風さん、キャラメル食べる?

新宿で山手線に乗り換えて西日暮里まで
そこで春風さんと別れました。

「バイバイ、またね」

家に着いたのは十時をまわっていた。
喉がすこし枯れていた。
しゃべりすぎたかな。
そういうこと、普段の日常ではなくなってしまった
非日常のなかで
わたしは癒されていくようでした。