あかんたれブルース

継続はチカラかな

nの女

おバカ列伝(11)赤い褌(3)


気がつけば病院のベッド
ここは? そうか救世軍で社会鍋をつついて
大関剣菱、黄桜、月桂冠、白鹿と一升瓶を五本あけて
そして混合酒鬼ごろしを飲んでたところで不覚にも意識を失ったのだった。

救急車で都立駒込病院に運ばれた・・・(汗)。

窓辺のカーテンが揺れている。
そこに一人の女性が背を向けていた。

「やっと気がついたんやな」

「ずっと見守っていてくれたのかい」

ふり向いた女が微笑んだ。
その目尻が下がる。
それは欧文の「n」の字のようだった。
∩∩
手抜きの下手ウマ漫画のような顔
そう彼女こそ18歳のときに神戸港で出逢った女だったのだ。

「それからどうしたんだい」

「生まれた子供は男の子やったんよ」

「そうか・・・男の子だったのか」

「Johnson & Johnson と名付けたの」

「なんかベビーオイルのような名前だな」

「世の中の潤滑油になるような人間になってほしくて」

「なるほど」

「JJ. と呼んどったんよ」

「なんかニューハンプシャーの匂いがするぞ」

「JJ.を抱いて川に洗濯に行きました」

「川で洗濯?」

「すると川上からどんぶらこと大きな・・・」

「桃か!」

「大きな電気釜が流れてきたの」

「電気釜!」

「やったあ! ちょうど欲しかったんや」

「誰かが不法投棄したのかな?」

「いそいでゲットしたら、今度は大きな洗濯機が!」

「あれま(汗)」

「うちはJJ.を電気釜のなかに入れて洗濯機をゲット!」

「やったね」

「そしたらテレビが流れてきた」

「なんか水に浸かって映らないんじゃない(汗)」

「冷蔵庫、扇風機、オーブントースター、美顔器・・・」

「凄いね。台風で流されてきたとか?」

「全部、ゲットした」

「ラッキーだったな」

「でも、電気釜があらへんの」

「えっ? そのなかにはJJ.が・・・」

「御飯が炊けない」

「いや、そうじゃなくって」

JJ.〜!