あかんたれブルース

継続はチカラかな

間抜けな大統領



すこし、話を変えます。
近現代史をなぞっていると、どうも合点がいかないことがある。
前回、原発導入に東西冷戦が関係してるとしましたが、
この冷戦っていうのは資本主義と社会主義共産主義の戦いです。

この戦いは何も第二次世界大戦後に、急に、
たといえば朝鮮戦争で勃発したわけじゃない。
もとをたどれば、ロシア革命からであり、ソビエト連邦誕生からです。
1922年ってとこですかね。

対して、日本がシベリア出兵を敢行したのが1919年。
これは1918年から1922年までの間に、
連合国(大日本帝国・イギリス帝国・アメリカ合衆国・フランス・イタリアなど)が
「革命軍によって囚われたチェコ軍団を救出する」という大義名分で
シベリアに出兵した、ロシア革命に対する干渉戦争のひとつ。

日本はアメリカにケツを叩かれて腰を上げたものです。
今でいう国際協調。
その賛否は別として、自衛隊の海外派兵みたいなものです。

話を戻して、日露戦争は日本とロシアの戦争ですが、
日本のバックには日英同盟があってイギリスが味方していた。
さらにアメリカも日本側で極秘裏に清国も日本側だった。
ロシアには間接的ですがフランスとドイツが味方していた。
代理戦争みたいですが
これを第一次世界大戦と位置付けてもいいくらいです。

ま、それはさておき、アメリカは戦争後半からは親日的だったわけです。
当時に大統領(第26代)はセオドア・ルーズベルト共和党)。
蜜月といってもいい。

これが日露戦争後に一転したといわれています。理由は、

(1)日本海海戦の勝利でロシア艦隊を殲滅したことによって
   太平洋随一の海軍国家となった日本はアメリカの仮想敵国になった。
(2)日本が手に入れた満州の権益にアメリカを閉め出して
   独占してしまった。(米国実業家ハリマンとの提携を拒絶)

これが理由だといわれている。
それもあるでしょうけれど、アメリカはその後も日本を援助していた。
ひとつには革命後のソ連の防波堤として日本を利用していたわけです。
それで充分に国益になっていたと考えられます。

ところが、第32代フランクリン・ルーズベルト大統領(民主党)は
対日政策でミスを犯します。
強権を発しすぎて日本を追い込んでしまう。
これは日本の対中政策と同じ(支那事変)で、脅せばいうことを聞くかと思ったが
窮鼠猫を噛むになってしまったわけです。石油を売らない。
同じルーズベルト(従兄弟)でも対日政策は雲泥の差だ。
共和党民主党の差でしょうか、時代環境の差か、能力の差なのか・・・

それでもルーズベルトはタカを括っていた。
日本がアメリカに戦争を仕掛けてくるはずはないと。
まるで日露戦争のニコライ二世のようですが、
無謀な戦いといわれる日露戦争でその国力差は約八倍に対して
太平洋戦争での日米の国力差は八十倍ですよ!
それに日本は中国とも戦っているし、
結果、イギリス、オランダ、オーストラリアといった全世界を敵にまわすわけです。

その点から、日本の当時の主導者、軍関係者は馬鹿だといわれます。
そりゃあ、そうです。馬鹿ですよ。
でもね、「米国に追い込まれた、ハメられた」っていうのもある。
だから、戦争回避に動いた人も多かったわけです。
回避できると信じていた。

一方で、アメリカ(ルーズベルト)は戦争したかったので無理筋であり、
すべて、アメリカ(ルーズベルト)の陰謀だという人もいる。
真珠湾攻撃も罠だったと。
それは違う。これは以前も何度か記事にしましたので、ここでは省略。

で、なんかルーズベルトのことを計画的な陰謀の首領と評価する人がいるけれど、
単なる間抜けでしかない。
ま、真珠湾攻撃の失敗を上手く「リメンバーパールハーバー」に世論を変えた
ところが政治家的な手腕かといえるくらいでしょう。

それ以前からアメリカはソ連の赤化を危惧していたわけだ。
そのための工作活動もそれ以前の大統領からやっていた。
それをご破算にしたのが第32代フランクリン・ルーズベルト大統領というわけです。

結果、ソ連との東西冷戦に突入。
中国は国民党から共産党が支配することになり、
朝鮮半島は南北に分裂し、
ベトナム戦争は敗北してしまう。

国家戦略、地政学、陰謀、謀略はある。
しかし、結局それをやるのは人間であって、人間は間抜けだったりするものです。
そうそう計画通りいかないし、
その計画もときには間違っているものです。

東日本大震災の事後処理で、
そうそう計画通りいかないことはよくわかったと思います。
これは日本人に限ったことではありません。
また、震災復興に関する増税の計画案も間違っているとは思いませんか。

原発推進計画も間違っていたわけじゃないですか。
こんなものです。人間がやることっていうものは。
過信しちゃいけない。