あかんたれブルース

継続はチカラかな

サルより厄介

りんちゃんのモヤモヤ(6)北欧の社会保障制度(5)


なにかと喧しいことをいう時代環境です。
その根底には「不信」があって、それをいい風に解釈すれば
「疑う知性」でもあるんでしょうが、応用がきかないので
とにかく、疑い、とにかく、批判する。

こういうのってどこかで足をすくわれる危うさがあるものです。
ま、それはさておき
北欧の社会保障制度に対する拒絶反応に「不公平」をあげました。
それと、税金が高くなるという心配もあるのでしょうね。
日本人の多くが低所得者なのに今だ中流意識が抜けていないのでしょうか。
やはり「不信」があって、先行きの社会不安があるのでしょうね。

「朝三暮四」って話があります。

猿を餌付けしていた高崎山吉田一郎さんは不景気から
エサ代をリストラしなくてはならなく￿て、その日、猿たちに言ったとさ。
「今日からドングリを朝は三個、夕方に四個にします」
そしたら、猿たちは怒り出しまして、大変な騒ぎです。
「じゃあ、朝四個にして、夕方三個にしよう」

猿たちは喜び、満足したそうです。


この逸話は『列子』とか『荘子』にあるものです。
わたしの手元にあったのは『マンガ老荘の思想』ですが
この記事を書くにあたって
確認のためにネット検索してみたら、ちょっと解釈のニュアンスが違う。

猿の立場からみれば、結果は同じなのに表面的な利害にとらわれること。
対して、人間(エサをあたえるもの)の立場でみれば
そのようにしてだますことと解釈されます。
また、良い意味で解釈すれば、交渉次第というか、物は考えよう。
コミュニケーション能力の事例にもなるのでしょうが、
現代人の捉え方は「言葉のトリックで騙す」ことへの警戒が強いようですね。

震災、原発事故の援助復興支援、倍賞保障で増税案が出たときに
わたしは強く反対しました。
その手法だと後々不味いと考えるからです。
これは自分なりには理論的なものから発しました。決して払いたくわけじゃない。
違うのだ、払えない人がいるのです。
だから消費税はいまは無理。よっぽど景気がよくならないと・・・
(電気代値上げに対しては感情論もあることは認める。言語道断だと思う)

でね、日本は欧米各国と比較して消費税が安いというけれど、
私達は違った形で様々な税金を払っている。
もう税金払える体力がないんじゃないか? 例外の人はいるでしょうが。
原発をこれ以上増やせないように、税金もこれ以上は増やせないと思う。

とにかく税制を見直す必要があると思う。
それがあって「朝三暮四」の話を持ち出したのです。

社会保障制度を充実させたからって重税なんかにはなりませんよ。
そっりゃ、いままでみたいに貯蓄に勤しむことはできないかもしれませんが、
その蓄えって、老後とか、子供のためとか、イザというときのための備えですよね。

貯金しないと安心できない社会。
貯金しなくても安心できる社会。

実際は、貯金しても、安心できない社会であって、
貯金があっても安心なんか得られないのだ。

でね、話を猿にもどします。
私達は「朝三暮四」でも「朝四暮三」でも満足しない。
いや、満足しろなんていってるんじゃないですよ。例え話だってばさ(汗)。
そこに目論見や意図があって、陰謀があると言う「頭の良い」人がいて
私達はそういう意見に左右されます。
厄介のは、朝と暮で数が違うのは不公平で不平等で憲法違反だとして
民主主義の根幹に関わるといい、
「朝、3.5個。暮、3.5個」を要求するわけだ。
そうすると、吉田一郎さんはドングリを半分にする仕事が増える。
一人でそれはできないので半分にするための従業員を雇いました。
そうすると人件費がかかって、財政はますます圧迫される。
また、ドングリをきっちり半分に割るのは難しいので
そこでも揉めます。


いつまも 不満と不安は ストーカー (馬太郎 慟哭の川柳)