あかんたれブルース

継続はチカラかな

真心を君に

己を空しくさせる(盆と膳)


このあいだテレビで浅野忠信の祖父母の
ドキュメンタリーをやってた。
ふたりとも、もう他界しています。

出会ったのは昭和20年の広島
進駐軍兵士だった祖父と
満州から逃げ帰った離婚暦のある祖母は
恋におちました。

祖父はアメリカの片田舎で生まれて育った
大恐慌のためにハイスクールに進学できなかった。
純朴なアメリカの兵士だった祖父は
年上の祖母を愛した。

その頃、そういうカップルの間では
家を建ててやるのが流行ったそうです。
祖父もそうしました。
ちゃんと結婚式も挙げた。

祖母が妊娠しました。
家族ができる。
祖父はとっても喜んだ。


朝鮮戦争が勃発。


祖父は戦地にいかなければならない。

一年間の別離。

帰還したら、可愛い娘がいた。

祖父は娘をなによりも愛し
可愛がった。

これが忠信の母。
幼い頃の思い出で、とても印象的な・・・
それはクリスマスに父が大きなもみの木を買ってきて
お母さんと一緒にみんなで飾りつけた
それはそれは大きなもみの木だったと

父親の記憶はそれだけです。
母はあまり話してくれなかった。

二人がわかれた理由は、祖父の帰国命令です。
祖父はみんなで一緒にアメリカに帰ろうと説得した。


結局祖母は
ためらって、娘とふたりで生きていくことを選択する。


よくある米兵とオンリーさんの話
でもここからが違った。

数年後に祖父は再婚します。
もうすでに三十を過ぎていたのでしょうかね。
相手はまた年上で二人の男の子のバツイチさん。
それから、祖父は新しい家庭を築き良き夫で良き父だった。

取材班がその息子を訪ねたときに
父親の遺品の財布をみせた。
その財布のなかにぼろぼろの一枚の写真があった。

娘の写真でした。


もうたいへんだよ。

浅野忠信の母も、浅野忠信も、関係ない馬ちゃんも号泣。


娘を愛していたんだね。


それでも新しい家族に気兼ねして
そっと隠れて
その写真をみつめていた善良なアメリカの男

真心という言葉がうかんだ。

誠実という言葉がうかんだ。

愛だと思う。

浅野忠信の母と浅野忠信は幸せだ。
お父さんありがとう。祖父ちゃんありがとう。

だよね。

これだよね。これ、これこれ