あかんたれブルース

継続はチカラかな

とかくこの世は金次第

(002)政府要人の暗殺料百六十円也!


わたしのおバカな妹、幸子のおバカ噺は
ここでも何度か紹介しましたが、
ひとつかふたつ偉いなあと尊敬する点がある。

あいつは中国人の友人を信用して
二百万ほど金を貸して、しかも借金して(まだ返済が続いてる)
だけでなく、自分の人生も賭けたよね。
別にそこに色恋があったわけじゃあない。

結果それは失敗した。
貸した金以外に投資した金もパア。
平和島の店が潰れたときにかかてきた電話は
胸が締め付けられたものです。
がんばっていたのにね。

あれから8年。幸子は元気です。
そのアホな中国人を裏切ることなく
貸した金はまだ160万円ほど返ってきていないそうですが
まあ別にいいやっていう感じみたいですよ。


なにかと金に対してうるさい世の中です。
この取り扱いを誤ると確かに不味い。
そういうことに人一倍うるさい馬太郎です。


明治17年に青雲の夢を抱いて
あるものは欧州へ、米国へ
あるものは地方から帝都東京へ
と向かう中で
ひとり福岡から熊本へ迂回して上京する若者がいた。

わたしの尊敬する杉山茂丸(二十歳)だ。
上京の目的は政府要人の暗殺。その活動資金と上京の旅費を
西南戦争熊本隊の残党・佐々友房に借りようと
わざわざ目的地とは逆コースで熊本へ下った。

茂丸と佐々は初対面だ。

年齢もひとまわりほど違う。そして、佐々は貧乏だった。

なのに200円貸せという。
現在の貨幣価値でどれぐらいでしょう1000万円ぐらいかな?

佐々にそんな金なんかないよ。鼻血もでません。

しかし、貸したんだな。
というか一晩借金してまわって集めた金が160円。
なんで貸したと思う?

配当?

担保?

弱みを握られて脅迫された?

それとも、恋したか?


世の中金次第って言葉が浸透しているけれど
この言葉の深みをかみ締めてる人は少ないと思う。
人を生かすも殺すも金次第。
自分を生かすも殺すも