あかんたれブルース

継続はチカラかな

必要とされる男と女の宿縁

月夜の晩餐(4)


西原理恵子の『ぼくんち』を観る。

また迂回したる?
所長、大丈夫です。『冷たい熱帯魚』を見つけました。
水曜日が半額デーなので、そのとき拘束します。

西原理恵子のことはある程度は知っていました。
近代麻雀」とかでギャグ漫画とか描いていましたよね。
本人曰く「文化人ウケする」、そういう与太女だなあ、と。
むかし内田春菊がもてはやされてたような感じかな
ちょっと美人でぶっ壊れた性格とか体験があると、これだよ。
中村うさぎなんかもその系統でしょうか。

そんな感じで、よく打ち合わせ等で名前は聞きましたが
特別関心はなかった。

こういうタイプは話すと面白いけれど、
がちゃがちゃしてて、痛いので苦手です。
痛いのは好きだけど痛さの種類が違うんだな。
しっかりしているので、じゃあ行ってらっしゃいと。
というか、たぶんわたしは必要とされない。
わたしはもっと泣き虫でぐちぐちしたのが好きだな。
落雁よりも、濡れ甘納豆派だ。
あ、そうそうあの6ダースの落雁は先週完食。
賞味期限9月27日のキクラゲの佃煮はあと三袋です。
ちゃんと冷凍したよ。


毎日かあさん』を観て、
戦場カメラマンの旦那さんのアル中とガンの最期
そういう顛末だったのかと。。。

いや、間違って借りたのです。『ぼくんち』と
鑑賞5分ぐらいでその間違いを知りました。

映画は、かったるい流れじゃのう・・・苦手なんだよオヤジには
と、いいつつも、後半のダメ旦那のだめさかげんにぐっときた。
あれは映画がいいんじゃない。原作というか、
実際のこの夫婦がいいんだな。

泣いちゃった。
そして、
最期の旦那の言葉に、また泣いた。


必要とされないもの。


そういうふうに嘆くおんながいる。
わたしはなんとかそれを否定して、なんとか彼女に
幸せというものを感じてほしい。

でもさ、彼女もどっぷりアルコール漬けで
なかなか対話が成立しないんだよね。
無理に演説しても鼻からプー。面倒臭いやっちゃ。
それにさ、観念的抽象的な話だから
本人が納得自覚しないかぎり通じないんだな。

そういう意味で、『毎日かあさん』は82点です。
映画自体は68点ですが、原作と実在の男と女で14点上乗せ。


さて、それで糸を引いて『ぼくんち』となったのでした。
こっちも、どうも素材・原作をうまく生かせていない。
結論としては65点で原作の上乗せで75点です。

志賀勝が出ていた! 久々です。
良い感じでした。志賀さんのああいう味わいは初めて。
室田日出男も川谷拓三も死んだ。
長生きはしたけれど、二人のようにブレイクはしなかったよね。
松田優作と共演した『俺達に墓はない』ぐらいかな大役は?
アクが強すぎて、やくざよりも恐い役者がゆえか(汗)
そのアクが作品をぶち壊すんだ。
コントロールできるのは深作欣二ぐらいか? みんな死んだ。

志賀演じる鉄ジイが「長生きしたい」という台詞、
やくざに追われて死んだふりして川に流れるシーンには爆笑。
なんかいい枯れ具合でとてもよかったです。
大器老成かもしれない。長生きしてください。名優志賀勝

無頼派西原には叙情派という顔があるそうな。
前者にはそういうわかでわたしは文化人ではないから
興味はありません。ギャンブルもやめたしね。
しかし、後者の世界には興味がある。
なんか東映実録路線の延長線上にあるような・・・

次は、『いけちゃんとぼく』です。

問題は、原作から読むか、映画から観るか・・・

あなたはどっち?