あかんたれブルース

継続はチカラかな

女の子達の祭りの準備

あきらめの良し悪し(たぶん3)


『おんなのこ物語』はジンときたですよ。

西原のスタンドバイミーでしょうかね。
わたしには昔、18歳のときに観た
ATGの『祭りの準備』のようだった。

吉幾三じゃないけれど
イヤだイヤだ東京行くだ。だったな。
銀座で牛を飼おうとは思わなかったけれど
東京に行かなければなにもはじまらない。

大阪には神田川はないんだ。


主人公が義父にいわれた印象的な台詞

「お前はなにか人と違う」

どうしようもない親だったかもしれないけれど
それは彼女にとっての福音だったと思う。

そう、西原には「絵」という武器があった。
上手い下手とかじゃなくて、好きなものがあった。
表現するという手段があった。
自分を表現することができるツールがあった。
それを決して手放さなかった。

わたしにもあったと思う。
それを頼りに上京したけれど、デザイン学校に入って
自分より上手い連中に囲まれて愕然となって
即それに見切りをつけたもんね。

それから絵を描かなくなった。
描くことが苦痛になって
逆にそれはコンプレックスになってしまった。
本当はデザインなんて大嫌いだった。
仕事自体が苦痛なんだ。
趣味や芸術でやってるんじゃなくて
仕事として割り切ることが一人前なのだと。
そういう葛藤を隠し通すことが大人なんだと。

そこそこ上手い職人には仕上がったと思うけれど
面白くなんだな。贅沢かもしれないけど
面白くないと結局、続かない。
下手に我慢しちゃったものだから
えらい遠回りをして、後戻りできないところまできちゃった。

そういう意味で、西原理恵子は偉いと思うし、羨ましい。

それは『おんなのこ物語』の主人公の友達
「きみこ」や「みさ」にもあったと思う。

彼女たちは幸せになろうと我慢していた。
我慢することしか手立てがないんだ。
だから、これは我慢じゃないと言い聞かせていた。
ため息のでる話だ。


徹夜で準備したのに
祭りの当日は曇り空、ぐずついた空を気にしていたら
昼から土砂降りになった。
好きだったら、濡れながれでも御輿を担いで熱狂できたかも。
面白くないとだめなんだ。
面白く生きていないとだめになる。
努力や我慢じゃあ解決できない、これが現実だと思う。

わたしが息子に伝えるとすれば
まず、これだな。

石の上にも三年。三年経っても面白くないなら
道を改めたがいいよ。
当然そこにリスクはあったとしても
損切りできる度胸がなくては、あかん。
我々の人生はしごく短い。