あかんたれブルース

継続はチカラかな

下山敏郎の弁明の不味さ

良識派の壁(5)


しかし、タイミングがいいのか悪いのか

オリンパスの問題は以前から騒がれていたのですが
今月2日から連載した「良識派の壁」は
終戦のときの軍人・大西瀧治郎のスタンスからの問題提議でした。
とくにオリンパスを意識してのものじゃなかったんです。

変な意味でタイムリーでしたね。

オリンパス下山敏郎元社長(1984~1993年。~2001年会長)
は今回の事件に際して
「営業畑で財務のことは知らない。もっと現役の人を調べてほしい」
と答えていました。が、そのなかで

「ボクは軍人で、ただ社長を引き受けただけ」ともいっていた。

下山敏郎・・・陸軍士官学校58期生。陸軍航空士官学校に進んで
       近距離戦闘機の乗員として明野陸軍飛行学校に少尉として任官。
       満州パイロットとして戦った、確かに軍人だ。
       
しかし、この発言を大西が聞いたらどんな感想をもつか。。。
海軍であっても陸軍であっても情けない答弁だった。

知っていなければ、恥として切腹
知っていたら当然、切腹
どっちにしろ、その会社の責任者だったのだから
申し訳ない。とまず謝罪からじゃないだろうか。
どんな弁明も見苦しい。

軍人の面汚しだ。

わたしは以前、敗戦後の日本の復興に
退役した職業軍人を「優秀な人材」としてその数と質を認めました。
現実的にそれを無視することはできない。
文化大革命じゃあないんだから
旧軍人を永久に公職追放になんかできない。
ましてや佐官や尉官の働き盛りの人材がたくさん失業してたわけです。
軍人が悪いわけじゃない。
戦争を煽った新聞記者たちはシレーっとしてるわけだしね。

でもさ、福知山線脱線事故のときの責任者の答弁や行動。
原発事故の後の、たとえば九州電力の社長の答弁・・・
ほとほと企業のモラルの低下というか麻痺を痛感します。

そういうものを罰則で取り締まるというのも
なんというか忸怩たる思いに駆られますが
悪徳不正に対する費用対効果の末路をしっかり社会に示さないと
こういう負の連鎖はいつまでも続くのではないか?

以前から武士道に対する賛美に、わたしは違和感を記事にしていた。
今回もこの解釈から主従の忠義が謝った方向(奉公)の思想を生んでいる。
企業の社会的責任とはなにか。
やっぱりオリンパス上場廃止にすべきでしょうね。

いまでこそオリンパスの株価かは上場廃止に揺れて
連日ストップ安を続けているけれど
そのうち、社会的影響を懸念して、責任の所在もうやむやになるのかな。

世界に誇る優良企業。従業員は、関連会社は、八王子は・・・

時間がたつと、甘っちょろい良識派
そうはいってもと、現実論を持ち出してうやむやに手を貸す。

そうやって銀行の不良債権問題とかを救済してきたわけだ。
今回の原発問題でも同じです。

色々と反論はあるでしょうが、

きちっと、筋を通すべきときは筋を通す。
まず、これが大事なのではないでしょうか。
いまはたとえそれが損であっても、
長い目でみれば、これが日本の再生の力となると思います。