あかんたれブルース

継続はチカラかな

だってめんどくさいんだもん

知性の行方(8)


「昭和研究会」というのを調べています。
これは昭和13年頃に発足した近衛文麿のブレーン集団で
学者、役人、ジャーナリストなど
当時の知識人が結束して、日本の難局をなんとかしようと
がんばっていた者たちのグループだ。

ここで、ちょっと歴史を知っている人だと
なんだ、近衛じゃないか。
と鼻で嗤います。
もうちょっと知ってるつもりの人は
結局あれは大政翼賛会結成の呼び水だったわけで
日本は戦争にひた走ったわけでなんの意味もない、とか
揶揄することでしょう。


そうじゃない。


重要なことは、
今現在日本と日本人が直面している問題が
100年前の切羽詰った問題として存在していた。
まず、ここが重要です。

格差社会も空洞化もモラルハザード
すでにあったわけだ。

で、彼らはそれをなんとかしようとした。
結果は失敗して、日本は日中戦争を拡大させてしまい、
日独伊軍事同盟を締結させてしまい、
無謀な太平洋戦争をやらかしてしまった。

なぜ無謀か。
日露戦争で対ロシアとの国力差は八倍。
日米戦争での対アメリカとの国力差は八〇倍ですよ。
これを無謀といいます。

軍人だってバカじゃないんだから、
勝てる自信なんかありません。
現在の人の中にも、
そういう妄想を膨らませて宣伝してる人も
いますけどね。たぶんお調子者かバカなんでしょう。

で、結果、当然、負けたと。
日本は、日本人は、あらゆる意味で変革を余儀なくされた。

しかしだ、戦争以前からあった
日本の抱えていた問題はなんら解決されていない。
そのまま、舞台設定が変わっただけで
65年やってきたわけです。
その過程で高度成長やバブルがありましたが、
問題の本質は変わっていない。
むしろ二進も三進もいかなくなってしまった。

つまり、問題は「豊かさ貧しさ」じゃないんですね。
豊かの質といってもいいでしょうが、
これは資本主義自体の矛盾と行き詰まりにある。
なんかこういうと共産党か!といわれそうですが
馬太郎が実は「アカ」だったというと面白いかもしれません。
しきちゃんもすこし態度を改めてくれるかしらん?

まあ、そんなことはどうでもよろしい。

都市集中の社会構造がよくない。
これを昭和研究会は77年前に発表して
是正策を提示している。

よくないんだよ。日本の国にも、日本人にも。

よくないんだったら変えればいいじゃないか。
なぜ、変えない。
誰が抵抗しているのか?

企業か? 政治家か? ユダヤ人の陰謀か?

違う。

犯人は私達だ。