あかんたれブルース

継続はチカラかな

使うセンス

Jの食卓・労働とボランティア(3)


わたしの友人の話ですが
彼には様々な相談事がもたされているようです。
そのなかで離婚の危機にある後輩の話で
その原因のひとつに夫さんの小遣い問題がある。
これが八万円だそうで
収入からして、この小遣いは多い。
まだ二十代だし、子供二人か三人いるそうです。


さて、労働とお金の話だ。

私達はお金を必要とする。
まずは生活のためだ。
一人で生きていけるための収入。これが基本だよね。
次が家族と生活するため、ってことになるのかな。

最近はこれが難しくて夫婦共働きを余儀なくされる。
子育てもあったりして家事を夫婦で分担しないと
到底やっていけません、分担というより協力だよね。

さて、この若いパパさんの八万円の小遣いの件だけど
何に使うのかというと、たいがいは交際費として
飲むか、パチ屋か馬券か車券か舟券かスクラッチ
隠れて風俗に行くぐらいです。煙草代もあったかな?
たぶんそれでも八万円では足らないでしょう。

だから、それを批判されると彼はつらい。わけだ。
生活とか環境とか価値観を変えないといけない。
我慢じゃつらいのです。

仁義なき戦い』シリーズ第二弾の「広島死闘篇」で
大友勝利(演・千葉真一)がこう言った。
「美味いモン喰ってよマブイ女抱いて・・・」
これにエエ服着てがあったっけかな?

ま、これが人間(男)に生まれての本願があるのだと
新聞記者報道陣を前にアジるのですが、
十八歳の馬太郎は「なるほどなあ」と頷く。
これが人間の基本的欲求だと思ったわけだ。
それには当然、お金が必要だ。

それから十年ほど経って
坂の上の雲』の確か第一巻だと思うんですが
正岡子規が後輩にこう言う場面、台詞があった。
「本をお読み」
理由は、読書はお金がさほどかからない。
確かに、本一冊(それでも当時は高価だったと思うけど)
あれば、けっこう時間を潰せます。
何度も読めるし、転売も可能。知識も増えるし知性も磨かれる。

生憎そんときはギャンブルにどっぷりだったので
なんとなく納得はしましたが鼻からスーでしたが(笑)


それからまた十年経って、子規のアドバイス
しみじみとかみ締めるわけだ。
大友勝利がいうのも一理はある。だけど、それでいいのかなあ

私達はお金が大事だってことを知っています。
昨日はルイちゃんが今度の宝くじの五億円が欲しいと泣いていた。
だからわたしに買えという。無茶苦茶な話だ!
ま、ルイちゃんは借金返済やら色々と具体的な使い道が
あるわけですが、さて

私達はお金を何に使おうというのだろう?

勝利がいうように、美味いモノを喰うためか?
うり坊とかよし姉はそうだろうかなあと思う。
でも美味いモノっていっても限りがあるし
目黒の秋刀魚じゃないけれど、美味いモノも飽きる。
美人もセックスも飽きます。

勝利の男の(もしくは女の)本願は
間口のそれでしかなく、客寄せにはなっても
最終的にそれで満足はできない。
それにもっと沢山のお金という絶対条件が付く。
あればいいけれど、ないから問題であって
あっても問題の解決にはならない。

歯が痛いのに正露丸詰めてるか
コンジスイを塗るようなものだ。

金を稼ぐ貯めるも大事ですが、
どう「使う」もそれ以上に重要なのだ。
センスが問われる。

つまり、お金の使い方で人間が決まる。といって過言じゃない。
ホントだよ。きれいごとなんかじゃない。
綺麗なお金の使い方というものがあるわけだ。
上手なお金の使い方、気持ちのよい、嬉しい、楽しいお金の使い方。

後味の悪いセックスだってある。
まだ若いJJ.はどうだかは知らないが、そういうものもある。

さて、生活習慣価値観を変える。ことが勘所なんだけれど
まあ口でいうのは簡単ですがこれがなかなか大変だ。
大変だけど、やってみる価値は十分にあると思います。

じゃないと労働に対する対価がいつまでもバランスが悪く
悪循環に陥って、「労働>お金」となっちゃう。
ここに豊かさはない。
もっとも、この話と現在の経営者側の与太経済学と
一緒にしないでくださいね。それとこれは話が別なのだ。

まず、それぞれが自分のお金の使い方について
考えてみることからではないかと、思うのでした。



つづく