あかんたれブルース

継続はチカラかな

防波堤に咲く忘れな草

人間の条件(3)


『人間の条件』でも『開拓者たち』でも
突如進攻してきたロシア人が女狩りをするシーンがある。
女性たちは顔に墨を塗って変装しているのですが
とても逃げ切れない
そんな場面に、身を挺する女たちがいる。

娼婦という、その道のプロの女性たちだ。

日本女性の貞操を守るために、
どうせ汚れてる玄人女なんだから当然だと思うか。

「私が行ってやるよ」

今風にいえば、男前と表現するのだろうか?
けれども
誰も彼女たちに賞賛など与えない。

忘れな草賞

関西にそんな冠レースがあったなあ。
桜花賞に出走できなかった牝馬たちの残念レース。

寅さん映画の忘れな草はリリーだった。

きっと彼女たちは撫子じゃないんだ。
日本女性の貞操を守る
そんな表現でかたずけられる
防波堤の潮風にゆれる忘れな草

貞操、きれいなからだ、処女崇拝ってなんだろう。
そりゃあ誰彼なしにやらせるっていうのも問題だけど
そういうのを崇拝する女神思想っていいうのもある。

アメリカ映画でいえばグッドバッドガール信仰。
そういったヒロインが登場する数々の名作があります。
『あなただけ今晩は』『ティファニーで朝食を
ギリシャ映画なら『日曜はダメよ』

はたまた戦争で引き裂かれ、生活のために
娼婦となったヒロインの『哀愁』は英国映画か

日本映画で思いつくのは
『人生劇場』のお袖(松坂慶子
天城越え』のハナ(田中裕子)・・・
『サンダカン八番娼館 望郷』なんていうのもあったな。
あの湯船に沈んで泣くシーンは悲しかった。

どうも日本映画のほうはちょと痛い。
最後の黒澤作品(脚本)の『海はみていた』が良かったな。

今後、もし
従軍慰安婦問題を考える場があったら
やすっぽい倫理観だけじゃなくて
彼女達のことも忘れないでくださいな。
頬かむりするなよ。



(本日の名言)

「ロシア兵なんていっても可愛いもんさ。
 やさしくしてやれば子供みないでね、
 食べ物だってくれるし。
 日本の兵隊みたいにタダ乗りなんてしないよ」

『人間の条件』の第五部かな?
こんな台詞があった。
強がりをいっていたけかね。