パンツを履かない馬
ウマテルとルイーテルは森の奥へ奥へと
入っていきました。
「ねえウマテル本当にお菓子の家はあるの?」
「もちろんだよ。今朝の朝刊で確認したんだ」
「でもこんなに森の奥まで入って
帰れなくなるんじゃない。心配だわ」
「大丈夫だよ、ほら後ろを振り返ってごらん」
「なにか点々と点在してるのは・・・」
「帰りの目印に脱糞しながら歩いてるのさ」
「だからパンツ履いてなかったのね」
「パンくずだと森の獣たちに食べられちゃうだろ」
「さすがウマテル、でも臭うは」
「これじゃあ獣たちもよりつかないよ」
「あっ、お菓子の家の看板!
そこのカドを右に曲がるですって」
ふたりは大喜びで駆け出しました。
カドを曲がると・・・
あっ!
そこには大きなうり坊が大きなお腹を抱えて
寝ていました。
お菓子の家はうり坊が食べてしまったのです。
グリル童話第十七節ホの二番から