懺悔の値打ち

俺たちビビリマクリブーの国民は不安で仕方ない。
だからみんなと一緒じゃないと不安で
不安でしょうがないんだ。

行列があるとなんでも並んでしまう。
なんの行列かだなんて知るもんか。
取り合えず並ばないと損するかもしれないし
遅れるかもしれないし仲間はずれになるかもしれない
不安で不安でしょうがないんだ。

流行という名の電車に乗って
個性的というメーカーのコートを羽織って
個人主義というブランドの下駄を履き
権利という手拭を被って行く。

どこに行くかだって？
そんなこと個人の自由だろう。

ほんとはどこに行くかなんて関係ない。
みんなが行くとことさ。

どうも呪いをかけられているみたいなんだ。
それがどんな呪いなのかはわからない。

歩き煙草や煙草のポイ捨てが
内緒コメで問題指摘されてたよ。
なんであんなことしてたか今日は告白する。

歩き煙草してるとカッチョイーと思ってたんだ。
なんかドラマの主人公みたいでさ
（これ馬太郎のことじゃないからね）
そして吸殻をポイと捨てるとペシミストみたいで
どうだい空しさが滲み出てるだろうって
社会に背を向けてるみたいでさ。

なんでそんなこと考えたんだろう。
きっとテレビやマンガのせいだと思う。
俺たちが悪いんじゃない。
メディアのせいさ。
たぶんこれが呪いなんだと思う。

悪態をついたのもダウンタウンの浜ちゃんを
真似ただけなんだ。
なんとなくそういうのが本音っぽいだろ。
関西弁を使ったのもそのせいだ。
ホントは出身は群馬です。

ブログで誹謗中傷やったのも
なんとなく批判してみたかったんだ。
知的だって思われたかった。
本当は内容を把握していたわけじゃない。
最後まで全部読んでいなかったもの。
いろんな意見があっていいじゃないか。
賛同なんかしても意味ないじゃないか。
だって読んでいないのに
賛同なんてできないし、それだと頭悪くみられるし
個性的じゃないだろう。

責任？

なにをいってるかわからない。
明日にしてくれ。
今日は疲れているんだ。
たぶんこれも呪いのせいだよ。
俺のせいじゃない。

この間まで柔道のコーチをやってたんだ。
（これ馬太郎のことじゃないからね）
鬼コーチっていわれてた。
体罰？無論やってたよ。だってみんなやってたんだ。
俺だってやられてきたんだ。
それがコミュニケーションだって
そこから信頼関係が生まれるんだって
そう信じてきてたんだ。
それを急にダメだっていわれても
俺はどうやって指導していいのかわからない。
そうやらないとみんな言うことを聞いてくれない
不安で不安で仕方ないよ。

俺はただ常識という名のバスに乗ってただけだ。
俺が悪いんじゃない。ほらあのバスだよ。
・・・いつのまにか誰も乗ってない。
取り残されてしまった。
屋根の上でハシゴを外されてしまった。

みんなひどいよ。
昨日まではチヤホヤしてくれていたのに
なにかあっても揉み消してウヤムヤニして
くれてたのに俺だけに罪をおわせて
責任を追及する側にいるか知らんふり
無関係を装っている。

あっ、新しいバスだ。
はやく並んで乗らないと
乗車券には体罰禁止って印刷されている。
守れるよもうしないだって常識だろう。
最初から本当にダメだっていってくれてたら
やらないよ。やるもんか。やるわけない。

行列の横に脱ぎ捨てられていく
コートと下駄が山積みになってる
俺も脱いでパンツ一枚でバスに乗り込む。
パンツ一枚だけの乗客は
みんな手拭だけはとらない。
権利と刷り込まれた手拭で頬かむりした乗客が
バスが動き出すのを待っている。

取り合えず、次の街で
新しいコートと下駄を買うよ
みんなと同じものをね。