あかんたれブルース

継続はチカラかな

危険な賭け



今は無き新宿コマ劇場の裏のもうちょっと先
大人の社交場「風林会館」に入り浸っていた
二十代の頃

 超抗争ビルの上の空
 届かない夢を見てる

4階のビリヤード場に行こうと
エレベーターに乗るとやくざで寿司詰めだ。

 やりばのない気持ちの壁を破りたい

気をつけろ!
やくざで筋詰めじゃない指詰まってます(汗)
狭い密室が病院臭いぜベイビビリ

 しゃがんでかたまり背を向けながら
 心のひとつも解りあえない大人達をにらむ

「降りま~す」
俺はすり抜けるようにして外に出ると
大きく息を吸った。

「遅かったな馬太郎2分遅刻だ」

銀二はもう来ていた。

「約束のブツは持って来ただろうな」

俺はボストンバックを銀二の足元にほおり投げた。

「中を改めさせてもらうぜ」

ごくりと生唾を飲むが口の中が乾燥していて
よく飲み込めない。

「なんだこれは!」

銀二の顔が怒りで歪んだ。

「ボンタン飴だよ」

「俺は兵六餅五十箱といったはずだ」

セイカ食品だからいいじゃないか」

「ふざけるな」

「なあ銀二、東京で兵六餅は無理だよ」

「俺は兵六餅と指定したよな」

「そういうお前は用意できてるのか」

銀二は立ち上がるとおもむろにズボンを下ろした。
奴の股間にタコが吸い付いている。

「なんの真似だ」

「ちんこすう」

「ちんこすう?」

「ちんこ吸う?」

「ちんすこうだろう」

「ちんこ吸う?」

「いやだ」

「ちんこ吸って!」

「嫌です」

「よし勝負だ」

「ポケットか四つ玉か」

「きんたま」

「玉はふたつ」

「俺もふたつ」

「よし四つ玉で勝負だ」

「俺のは赤いぜ」

「俺だって赤いぜ」

「これじゃあ勝負にならないじゃなか」

「ちんこ吸う?」

「いやだ」

「ポケットでいくか」

ナインボール

「玉はふたつ」

「俺もふたつ」

「足りないじゃないか」

「今日のところは引き分けとしておこう」

「次は赤松煎餅50枚だ」

「ちっ、また鹿児島銘菓か」

「東京駅にはあるんじゃないかあ」

「じゃあこっちは粟おこし50枚」

「渋いところを突いてきたな」

「大阪まで買いにいけよ」

「逃げるなよ」

「そっちこそ」


 自分の存在が何なのかさえ
 解らず震えている


関東地方は明日は雪です。
お腹冷やさないよう
おやすみ