優秀と有能（3）
隊長の店には常連のクレーマーがいて
こいつが来ると客とはトラブルは
警察は呼び出されるはで大変で
ほとほと困っていた。
四十代半ばのオヤジだそうですが
どうも同業者ぽいようでもある。
そんな奴出入り禁止にしろよ。
とっころが、本部の指示は
大切なお客様なので・・・云々
しかっし、他の客が迷惑してるんだろう。
まったくの営業妨害じゃないか。
と、温厚な馬太郎でも思う。
「厳しさが足らん」とね。
結局、隊長が楯になった。
何か揉めそうになると、お茶の御代わりはいらんか
とかなんだかんだチョッカイだして
間に割り込んで険悪な空気をぶち壊す。
入店のときもお会計のときも
声をかけていきます。
「いらっしゃい」
「今日は寒いなあ」
「ありがとう」
「行ってらっしゃい」とかね。
しかし、隊長は基本的には人間嫌いです。
人間に対してある種の不信感を持つものだ。
人見知りで好き嫌いが激しく気分屋
これまでもこれが原因で職場を転々とする人だ。
それにわがままときてる。
隊長の長所と短所が対戦すれば
一回表で短所のコールド勝ち
それがどういうわけか
ドッグブリーダーかトレーナーみたいに・・・
隊長自身
まだ野生の血が残ってる進化の過程
ま、そのクレーマーを人間とみなかった
のかもしれません。
先日、久々に来たそうです。
（そういえば前回、一度も揉めなかったとか）
忘れているくらい久々
そしたらさ、むこうから声をかけてきたり
店が空いていたこともありますが
お会計のレジで身の上話まで
まあ世間話みたいなものですけどね。
普通の客、普通の常連さん・・・だね
これじゃあ（笑）
隊長が手なずけやがった。
父性と母性
今回は母性の勝ち
いや、今回も、かな。
わたしは隊長に頭があがらない。
