あかんたれブルース

継続はチカラかな

『火垂るの墓』は二度と観れない(1)

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 『火垂るの墓』はスタジオ・ジブリの作品のなかで唯一敬遠している作品です。
 作品の善し悪しではなく、可哀想で可哀想で観ていられない作品なのでした。
 あの『となりのトトロ』と同時上映でしたが、保護者の方々はさぞ戸惑ったことでしょう。
 反戦メッセージはいいとして、理不尽じゃねえか。いったい俺になにしろって言うんだよ!
 と、地べたの石っコロに八つ当たりしたものです。若気の至り?いまもあんまり変わってないかも

 十数年前の話ですが、知人の尾崎さんの息子さんが「川崎病」にかかって入院。
 その付き添いとして尾崎さんは小児病棟の待合室で夜明かししたそうです。
 深夜、気になって病棟に近づくと。カーテン越しの他の病室から
 「おかあさん、痛いよ」という声が聞こえてきて、たまらなく夜明けを待ち望んだとか。
 子供をもつ親の気持ちというのは煩悩に揺り動かされて、たまなくヘナチョコリンなものです。

 先日、米国で臓器移植をした幼い子が亡くなりました。
 子を持つ親として、つらい話です。
 
 私の田舎に知恵遅れの少女がいて、中学を卒業すると国道沿いで立チンボをしていたそうです。
 すでに上京していたので他人伝手の話ですが、50円でやらせてくれると評判だったそうです。
 市役所の誰それとか寿町の誰それが常連だとか狭い田舎にその噂は駆けめぐったとか。
 数年後、街で一件だけのスーパーに泣きわめく四人の子供を引きずって買い物にくる彼女は
 町のちょっとした名物だったとか。それぞれ顔のまったく似ていない子供たちに
 容赦なく母親のビンタがとぶのですが、「かあちゃーん」とみんな慕って離れないとか。
 この四人の子を生活保護を受けて育てる彼女の話が、私の耳から記憶から離れません。

 子供を巻き込んだ事件の報道に胸が痛むぞ!
 理不尽じゃねえか。いったい俺になにしろって言うんだよ! 

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(余談だが、とは言わない)

 日本の騎兵隊の父・秋山好古は司馬の『坂の上の雲』の主人公の一人である。
 弟は海軍の天才作戦家・秋山真之であるが、貧しい下級武士の秋山家にとって真之の養育は相当に
 負担だった。夜、両親が真之をお寺に預けようと相談の最中に襖を開けて止めに入ったのが十歳の
 少年好古だった。それはいけない。と、訴える好古は
 「ウチが勉強してな、お豆腐ほどのお金をこしらえてあげるぞな」というのである。
 お豆腐ほどのお金は別として、好古は陸軍に入った後、真之を引き取り東京の学校で教育を受けさ
 せて、この約束を果たしている。『日露戦争明治人物烈伝』(秋山好古の段・208頁より)