三平の嘆き
すっかり女性不信、人間不信に陥った三平
けれども甲羅を剥がされてしまった三平は
その人間におちぶれてしまった。
千葉の東金から彷徨い歩き
たどりついたのは新宿
いやあの新宿じゃない。
葛飾区の新宿さ
この地のスナック「万年」の止まり木で
静かに酒を飲む亀吉、いや三平。
「兄さん何か歌って」
ママからマイクと歌詞ブックを渡された
「ここは場末のカラオケスナックよ」
年増のママが微笑む。
それについ誘われて、
「ここは新宿。新宿そだち」
http://video.search.yahoo.co.jp/search?p=%E6%96%B0%E5%AE%BF%E3%81%9D%E3%81%A0%E3%81%A1&tid=e413b3878c2e326b020e7b5cd6ad3a83&ei=UTF-8&rkf=2
途中からママが入ってデュエットになった。
まるで大木英夫と津山洋子のようだった。
これが電波にのって時空を超えて
40年前の日本列島の南端にある「グラハン」という
パチ屋の有線でかかる。
中学二年生の馬太郎はそれを聴きながら
アレンジボールに熱中している。
世界は繋がっている。
デュエットが終わって
ママが新しい曲をセットした
そして、三平の横に座って
語りかけるように歌う。
http://www.youtube.com/watch?v=6R591PrkdoI
女なんてものに 本当の心はないと
そんなふうに言うようになった
あなたが哀しい
女なんてものは 心にもないことを
平気で言うと人を悟してる
あなたが哀しい
三平は溶けていく
東京都葛飾区新宿の中学校の裏にある
場末の酒場「万年」で
三平は泣きました。