あかんたれブルース

継続はチカラかな

右向け左

生きるってこと (3)


一昨日の夕方のニュースの特集で
新人自衛官のタマゴをリポートしていた。
あどけないその自衛官候補生たちは
うちの息子と同じ15歳。

なかでも景山君はどことなくKちゃんに似ていた。
規律正しい、いや厳しい全寮制の生活。
景山君はなんかやらかして八月まで
お菓子禁止なんだそうです(笑)。

食べ盛りの彼らにとって
お菓子はなによりも貴重なもの。
厳しいこの戒律の世界では
ケータイもゲームもエロ画像も
そして自由もない。
仲間だけが唯一の支えなのかも。
だから笑顔があるんだろう。

微笑ましかった。そしてせつなくなって
なんか滑稽で健気でさ、抱きしめたくなった。
「国のため」だって言っていた。

どこまで咀嚼してるかわからないけれど
わたしは否定なんかしないよ。


待ちに待ったはじめての外出日。
制服姿の二人組の変テコな兵士のタマゴが
横須賀の街へ行進していく。
とにかく腹ペコなんだ。
ショーウインドをみつめる目が輝いている。
なにを食うのかなと思ったら
デパートの食堂でラーメン定食だった。
もっとうまいものほかにあるだろうに。
その後
クレープを食べたアイスを食べた・・・
まだ、子供じゃないか!
可笑しいけれど泣けてくる。

こいつらおみやげに仲間に
シュークリームを買っていった。


それぞれにいろいろな事情があって
この選択をえらんだ。
親元から離れてホームシックにもなる
そんなときベッドで声を殺して泣くんだ。

ケータイは禁止。
いまではあまりみかけない公衆電話に
小銭をもってお母さんに電話していた。
あまり話すとつらくなるから
ぶっきらぼうだけど
お母さんはよろこんでいたし、よかったな。


ゴールデンウィークの束の間の連休
家族のもとに帰れる
あの子を向かえにきたのは
大好きなおばあちゃんだった。
埼玉の自宅で親戚が集まってパーティー
なぜか父親も母親もそれらしきひとがいない。
両親の離婚が自衛官を選択した理由だとは
いっていたが・・・
そうかあ
大好きなおばあちゃんに育てられたのか
そしたらさ、
封筒をおばあちゃんに差し出した。
はじめての給料だよ。

ばかやろう、泣かせるじゃないか。


お前達はきっと日本を守るよ。
お前達が守るんだ。
その優しい心が守る。

わたしが3.11で一番感動したのは
被災地を慰問に訪れた長渕剛が歌う「乾杯」に
体育館につめかけた全国の自衛官
肩を組んで泣きながら合唱してる映像だった。

国を守るということは
戦争をする敵を殺す人を殺す殺しあう
だけじゃない。
平和というものを守る。

彼らの存在を無視できるのか。

国が亡ぶといことは
他国に攻められて亡ぶだけじゃない。
心が亡ぶから、国は亡ぶのだ。

利己や卑怯や腐敗や無責任が蔓延り
心が亡ぶと国も亡ぶ



まったく個人的な話ですが
わたしは息子がもし高校卒業後の進路を
自衛官としても、反対はしないと思う。
ママが反対してもパパは反対はしない。
自分で決めるんだな。