仏の顔も三度笠

空海と親鸞を比較してみると
天才と凡才、エリートと劣等生のような
罰当たりな想いを馳せてしまいます。
そして、ああ人間の能力差って
そう変わらないもんだなあと思う。

二人の智慧には差とか優劣なんてない。
どちらも真理なんだと。

だれがみても優秀な空海は
慈悲だけでは民衆は救えないと
怒りの仏を持ち帰った。これも凄い。
ときの中国は密教が大ブレークまっただなか
空海の真言密教には
この世のパワーメカニズムの原理を
解き明かすものがあったのでしょうが
残念なことにそれを受け継いでいく者が
いなかった。
天台も真言も長い歴史のなかで
その真髄は埋没していく。

親鸞はそのなかの学僧として
オチこぼれていた。
なんか親近感がわくなあ。

聖徳太子を祀る六角堂で救世菩薩の夢告から
比叡山を飛び出して法然さんのもとにはしった。
この法然がやさしい人でねえ（涙）。

親鸞は出家仏教から在家仏教に転向した。
自力じゃ無理なんだと。
他力でなければやっていけないと。

なんか根性なし、屁タレのようですが
確かに自力じゃ無理なんだな。
うんわかるよ。

すべてのものを救いたい
と願った阿弥陀仏が
自力で悟りをひらいたものしか救えない
なんておかしい、矛盾する。
そんな修行や善行は自己満足にしかすぎない
ましてや悟りの到達点なんてどうやって
誰が判定するのだ？

法然、親鸞の考え方は正しい。

だってさ、
働かなくても食っていける貴族が
時間の余裕にまかせて仏を祈って祈らせて
金にものをいわせて仏像や寺院をつくらせて
それで極楽往生間違いなしって、変だ。
出家した坊主がお経三昧で往生できるって
いうのも変だよね。
民はその日その日の生活に追われ
難しい教典なんて読めない解らない。
漁（猟）師は殺生を生業として
遊女はエッチを生業とする。
これで救われないなんて変だと思うよ。

変だと思うことを変だとして
間違っているときっぱりいった
法然や親鸞たちは偉い。
そして、非常にやさしい。

その教えは非常にシンプル
南無阿弥陀仏の六字を信じて称えるだけ。
これだけ。

しかしどんな正論も、正論だからこそ
他者からすればイライラする。
邪魔なのだ。
イライラの原因は既得権益を侵されかねない
危機意識、自衛本能、嫉妬などなど

承元の法難で法然は土佐へ親鸞は越後に
流罪となりました。さよ～なら～（涙）
これが永遠の別れになっちゃう。
（親鸞が赦免になったとき既に法然は他界）

親鸞は拗ねた。
自分のことを愚禿といって。
結婚したって本当ですか。
非僧非俗として
焼肉も食いにいったさ。
人間そう簡単に煩悩捨てられるわけないじゃん！
親鸞が正しい。

やがて赦免となったけど、
帰る場所がないんだ。
やさしい法然師匠はもう死じまったよ。
いまさら京都にもどっても意味ないじゃん。

そういえば師匠は
一箇所に止まらず念仏を布教しろ
っていってなあと
関東・常陸方面に磐越高速から常磐高速へ
サービスエリアでカレー食べてたら
日蓮のポスターが貼ってある
なになに
「念仏をとなえる者は地獄行き確定！」

ひええええっ（汗）

笠間の稲田あたりで草鞋をぬいだ
親鸞はここで法然の弟子たちの
非行を知り『教行信証』の執筆をはじめる。

そうじゃないだろう！　と。

どんなに師匠が偉くても
それを継ぐ弟子たちがアホじゃ仕方ない。
それは最澄も空海も同じ。
そして親鸞の息子善鸞も例外じゃなかった。
（それはもうちょっと先に話だけど）


嗚呼、親鸞は三度笠
関東から東北方面まで
布教の旅の空

金井克子の歌を口ずさんだかどうだか

♪ぱあぱあぱぱぱー
　会うときにいつでも他力の二人
　昨夜は昨夜そして今夜は今夜
　くすぐるような指で因果の数も
　一から数えなおしてえ　

http://www.youtube.com/watch?v=0CiFQpBIuWk
わからん人はこれを聴きなさい。