あかんたれブルース

継続はチカラかな

大根の神様の恩返し



先日、息子が期末テストの一夜漬けの勉強中
「明日はなんなの?」とちょっかいを出した。
古典だそうで、試験範囲は徒然草だといいます。
「お、懐かしいねえ
 つれづれなるままに日ぐらし吉田兼好か」
と適当に宣まったところ
パパ凄いねと尊敬の眼差し。
ふふふ昔はちょっとワルだったのさ 
と調子コイてちょっと見せてごらんと。
そしたら息子が僕が解説するよという。
わたしに教えるカタチだと覚えるそうで
「はいはいお願いします。ご教授ください」と
ふたりで寝転んで試験範囲の三篇を
わたしに聞かせてくれた。
ふむふむと途中でチャチャ入れながら
楽しい親子の時間を過ごしました。
というか、徒然草けっこう面白いんですね。
当時の世相を皮肉る兼好のウイットにとんだ
センスに唸らせる。
狛犬がソッポ向いてたのを超常現象と感涙する
偉い坊さん。実は子供のいたずらだった。
なんてね。
この「丹波に出雲といふ所あり」の一節。
ちょっと待て、なんで出雲が丹波なの?
丹波って京都あたりでしょう?
と、実際「出雲」は現在の京都府亀岡市千歳町に
社があったんですね。
これを現在の鳥取県(修正→島根県)に移した。
これが出雲大社なわけかあ・・・なるへそ、と。
勉強になりました。
こうやって古き神々は左遷されたわけか。

でね、
「筑紫に、なにがしの押領使」という話は
大根が万病に効く健康食と信奉し
毎朝必ず大根二本食ってた男が、
ある日くせ者たちに襲われた。
不意をつかれて絶体絶命の大ピンチ。
そこに二人の兵士が現れ敵を追い払ってくれた。
男がお礼を述べて、で、どこのどちら様?
と問えば、
「あなたが年中有難がって食ってる大根に候」
という粋な話なんですね。
これも信心なんだな。

・・・大根の神様かあ
ふとさ、ジブリの『千と千尋の神隠し』で
大きな色白のデブった大根の神様を思い出した。
エレベーターで千を隠してくれた。
宮崎駿はきっと徒然草を参考にしたんでしょうね。

で、そんなこんなで一通りテスト範囲を
おさらいして、これでバッチリじゃん。と
「そうだね」と息子。
さて、寝ようかと腰をあげると
これからまだ勉強しないといけないという。
「なんで?明日は古典だけなんだろ?」
「うん。文法とか、品詞とかねやんないと」
「文法?品詞!あったな・・・くうかりきいかり
 しいきいかるこれかりけりこれかれ?」
「なにそれ?」
「いや、なんでもない」

しかしなあ・・・古典の文法なんて勉強して
なんになるんだろう。埋蔵金でも探すとか?
そんなことよりもっと学ぶべきことはあるだろうに

非効率非合理不毛な教育だよ。