あかんたれブルース

継続はチカラかな

扉をたたく人



映画『扉をたたく人』に心を揺らした。
心を閉ざしつまらない人生を送る大学教授が
ある厄介事から人間らしい笑顔を怒りを哀しみを
そして愛を取り戻すというお話。
そしてラストのほろ苦い残酷な別れ。ため息が零れる。

移民、不法入国、強制送還という米国の社会問題が
ベースに敷かれている。
ヒアム・アッバスという女優の美しさが際立っていた。
中高年の純愛
息子の強制送還に悲しむ母親
それを気遣う男
そっと彼女のベッドに入り
その背中を抱く
共に悲しみを共有する
男のやさしさ

なにもしない
してるふりをして生きてきた男が
他人のために心を痛め
なにかしようとしている。
愛している。
愛は人間を愚かにするものなのか

ため息が零れる

この『扉をたたく人』というタイトル
とても沁みました。

人が人と接する、関わりあうと
そこに必ず厄介が生じる。
別れは
その最大の厄介事かもしれない。
深く傷を負う
こんなことなら出逢わなければよかった
そう思い後悔することもある。
アメリカ人、シリア人の母子とセネガルの息子の恋人
国境、言語、民族、宗教
私たちには様々な隔たりがある。
そういうものを一切なくしたとても
その隔たりはなくならない。
自分と他人という隔たりがある。

この映画のラストはハッピーエンドではない。
けれども、ある種の救いがある。
私たちはその隔たりをなくすことができる。

扉をたたくその音は愛の響きだ。
波長があえばきっときこえる。

厄介のはじまり
男と女の愛
男同士、女同士、他人同士の隣人愛
神は厄介なものを与えたもうたものだ。

誰だあ?
わたしの心の扉をノックするのは・・・
まさか、

横山ノックというオチじゃないだろうねえ(汗)