あかんたれブルース

継続はチカラかな

死ぬほど愛して

日本力復権(5)


結局、すべてのボタンの掛け違いは
「私」というものを頑なに守ろうとすることが
不自由の原因なんだと思う。
その対極に愛はあり、信じるという行為はある。

愛って、「私」ではないものへの
思いの比重が大きいところにある、無防備な行為。
自身をかえりみない
自殺行為に近いのかもしれない。
だからなのか
「私」という保身に比重が傾いてしまう。
恋人でも夫婦でもそのために駆け引きをする。
セックスでもそれはいえている。

恋の駆け引きはプレイだ。
プレイに徹する、駆け引きの勝者を争う
恋のチャンピオン、大横綱、メダリスト、達人
そんな道に精通してどうするんだ。

エロース(愛、恋)とアガペー(神への愛)の
片側一車線一方通行高速道路高井戸入り口

「なに言うてはりまんの?」

「タオ!」

「訳わからんおっさんやなあ」

「菩薩行じゃ」

「日本力復権なんやろ」

ルネッサンス!」

「おっさんいくつなん」

「先週土曜日に54歳になりますた(汗)」

「分別盛りのええ歳やんか」

「分別しちゃあかんのじゃ」

「怒られるで」

「愛はゴミじゃない」

「捨てるほどの愛なんてないやろ」

「それはいえてる」

「案外素直やな」

「愛が足りない」

「足らんのか」

「わたしはもう十分ごちそうさまです」

「わんこ蕎麦みたいやね。フタしい」

「日本人は愛を誤解して受け入れた」

「いつの話な?」

「明治、維新前後
 文明開化に伴って様々な外来語が和訳された。
 社会、存在、自然、権利、自由、憲法、個人、哲学、技術、近代・美・芸術・・・
 そのなかに「愛」もあった。
 英語:love, ドイツ語:Liebe, フランス語:amour
 さあ困った。これに当てはまる日本語がねえよ(汗)
 取りあえず[愛]にしとくか、と」

「愛ではいけまへんの?」

「それは中国から来た仏教用語だからねえ(汗)
 色恋の認識と「恋」はあったけど、
 それと「愛」とは違うわけじゃない。
 ましてや仏教的愛とも違う」

「ややっこしいなあ」

「無理して和訳することなかったのかもね。
 ラブとかしときゃよかったんだろうけど。
 二葉亭四迷は『浮雲』で最初はラブってしたんだけど
 カステラみたいに・・・きっと一般読者が
 沖縄の毒蛇と勘違いしないかと心配して
 その後で、愛と記したんだ」

「ハブはあかんけど今やったらラブで通るで」

二葉亭四迷は翻訳の仕事中に
 [I love you.]という言葉にぶつかった」

「わてはあんたをラブでんねん」

「困ったあげく[死んでもいい]と訳した」

「くたばってしめい、やね」

「この[死んでもいい]には含蓄がある。
 これこそ愛の本質なのだ!」

「で、馬太郎 愛とは」

「死ぬことよ」

葉隠の武士道と同じやないか」

「違うな。葉隠の恋愛は忍恋だ。
 忍ばないと愛が壊れることを怖れてる。
 主従関係のご奉公マニュアルと二重構造に
 なっているからこうなるんだろう」

「恋愛に上下関係はないってことかいな」

「ついつい上下関係をつけようとするけどね」

「いまは男女同等やないの?
 どっちかいうと女性の側が上かもしれへんで」

「そっちのほうは個人的な場合の話として
 最初の駆け引きや勝負がここで発生しちゃう」

「勝負の決め手は?」

「先に愛を伝えたもの
 これを降参したと判定(確認)される。
 死んでもいいという敗北宣言だからね」

「ええやん。愛に死す 本望やろ」

「問題は、そこで納得されて停滞し発展しないこと」

「お返しいるんか。めんどくさいなあ」

「作用あれば反作用あり。愛の物理学じゃ
 これをフォボナッチ love love 核融合という」

「なんなん?」

「0から1(+)1(+)2(+)3(+)5(+)8(+)13(+)21(+)34(+)55(+)89・・・と感応反応し循環拡大する」

サラ金複利みたいで恐いな」

「うん。だから途中で腰が引けるじゃないの」

「そのままいったらどうなるんな」

「死にます」

「あかんやん」

「愛は、死んでもいい。だろ」

死ぬほど愛して
https://www.youtube.com/watch?v=VaS2ofj4Gxo