あかんたれブルース

継続はチカラかな

しげるの純情



季節のない街に生まれ 風のない丘に育ち
夢のない家を出て 愛のない人に会う
人のためによかれと思い 西から東へ駈けずりまわる
やっとみつけたやさしさは いともたやすく萎びた

泉谷の春夏秋冬・・・いいねえ
あのバカが紅白で観客に噛み付きました。
「手拍子するんじゃない!」
しげるは一緒に歌ってほしかったのだ。
鎮魂の思いとエールとして

 今日ですべてが終わるさ
 今日ですべてが報われる
 今日ですべてが変わる
 今日ですべてがはじまるさ

それが通じなくて苛立った。
それは、お門違いだよ。
だったらそうしたかったらもっと
根回ししとかないと
察せられるものじゃない。
おまえのやさしさは独善とか驕りとか
キャラを売り物にしてるとか
そんなふうにしか受け取られない。
だから、バカだとわたしは言う。

せめてねえ、あのとき杏が手拍子やめて
起立でもして、歌ってくれて
それを3カメがアップでとらえてくれたら
少しは流れも変わったかもしれないけれど
知性派杏ちゃんでも戸惑いを隠すのが精一杯
それもこれも、しげる
お前の思い込みの強さのしくじりだよ。

しかしさあ・・・この春夏秋冬
手拍子するような曲かねえ、歌詞かねえ
一緒に歌うどころか
歌に込められたメッセージさえ届いていなかった
とすれば、なんとも苦い話でもある。

泉谷しげる、癖があってめんどくさい爺ですが
若い頃から知ってるし、嫌いじゃない。

 春だというのに北風に煽られ
 街の声に急き立てれ
 彼らに合わないから追いまくられ
 さすらう気はサラサラないのに

泉谷の「春の空っ風」という歌です。
これ好きでね、いまでもたまに口ずさむ

 何でもやります 贅沢は言いません
 頭を下げ詫びを入れ
 すがる気持ちで仕事を貰い
 今度こそ真面目にやるんだ

とくにこの歌詞が好きだったな。
二十代でよくこんな歌が作れたものだと
尊敬さえしていた。

 誰が呼ぶ声に応えるものか
 望む気持ちとは裏腹
 今はただ すきま風を手で押さえ
 今日の生き恥をかく

 言葉が足りないばかりに 
 相手に自分を伝えられず
 分かってくれない廻りを恨み
 自分は正しいと逃げ出す

本当にバカな奴だよ
この歌の通りじゃないか

でも、バカだけど
好きだな。
あつかいづらいしめんどくさい奴だけど
もし若い頃からの友達だったら
何度も喧嘩したかもしれないけれど
いまでのきっと付き合ってる

 誰が呼ぶ声に応えるものか
 望む気持ちとは裏腹
 今はただ すきま風を手で押さえ
 今日の生き恥をかく