あかんたれブルース

継続はチカラかな

ありがとう寅さん



お昼前、なんか手持ち無沙汰で番組表みたら
BSで『居酒屋兆治』をやっていた。
冷たい雨に濡れて泣くさよには
間に合わなかったけど
最後の30分、さよの寂しい死に際は看取りました。
さよ(大原麗子)はすすきのキャバレーで
「サリー」と名乗っていたんだ。

サリーとリリー
健さんと寅さんを重ねてしまった。
残侠と瘋癲
どっちも不器用な男です。
でもさ、寅さんだったら女にあんな寂しい思いは
させなかったんじゃないかな

寅さんの「さわやかな不完全燃焼」には
そういう救いの余地があるんだよな。
駅ステーションで泣いていたいしだあゆみ
あざさいの花のあゆみはあれから
きっと幸せになったような気がする。
「幸せになれよ」
寅さんの声が聞こえる。

シリーズ公開中はマンネリだなんだと
批判されてたっけね。
そいう連中は健さんを断然評価してたはずだ。

渥美清という俳優から
男はつらいよ」「寅さん」というキーワードを
差し引いたら何が残るんだろう。
『拝啓天皇陛下様』とか
八つ墓村』の金田一耕助とか
『沓掛時次郎』の身延の朝吉なんては出ないよね。
なんか役者として寅さんという人身御供となった
ような気もします。
仏様とかお地蔵様とか
お不動さんみたいな寅さんを
みんな盆暮れ正月に拝みにいくんだ。
そしていつもヤキモキさせられて
「爽やかな不完全燃焼」でなんとなく納得させられる。
悲しみを笑いにかえる御利益があるんだ。

寅さんだったら、さよにあんな思いはさせなかった。
なんかさよと江里チエミがダブってしまったよ。