あかんたれブルース

継続はチカラかな

『17歳のカルテ』の草枕



ルイちゃん一家の下足番
斬り込み日直当番の馬太郎一番でやんす。
先月から『17歳のカルテ』を早よ観んかい!
とケツを叩かれていたのですが
昨日ようやくツタヤでゲットしやした。
これが噂に違わずの逸品でありまして
これはちょっと気合を入れて記事にせにゃならん
というわけで
17歳のカルテ』について書きたいのですが
その前に

現在、ハリウッドスターの頂きに輝いている
アンジェリーナ・ジョリー
あの独特な唇。印象的ですよね。
魅力的かな
それが実父からの遺伝であることを知ったのは
昨年頃だったかのかなあ・・・
実父はジョン・ボイド
真夜中のカーボーイ』のあの痛々しいジゴロだ。
その後も息の長い俳優活動でときどき「あっ」と
いう感じで出くわす。
なんといってもあの唇が印象的なんだよねえ。

そうかあアンジェリーナ・ジョリー
ジョン・ボイドの娘だったんだあ・・・
ところが二世俳優というストレートなものではなく
彼女の生後間もない頃に両親は離婚。
原因は父親の浮気癖。
このことで母親は長く前夫への憎しみを
増幅させていた。
そのことでアンジェリーナは育児放棄を受ける。
親の愛情を十分に得られなかった
可哀想な人なのだ。
こういうのってその人のその後の
人生に決定的な傷を与える。
その傷は後遺症となって、
ある種の障害を背負わせる残酷なものだ。

さらに著名人の子供ということや
あの「唇」のことでいじめにあたりして
彼女の闇は10代、それは20代の前半まで続く
自虐の日々だったそうです。
つまりあの唇はアンジェリーナにとって
コンプレックスであり、母親に刷り込まれた
憎むべき存在(実父)からの「負」の遺伝だった。

あの美貌、魅力的な唇さえも障害になってしまう。

そんなこんなで非常に精神的に不安定だった
みたいですね。
自傷行為なども激しかった。
現在はブラッド・ピットと幸せなようです。
また、女優業とは別に慈善活動家としても知られている。
乳房切除同様にその賛否は様々なようですが。

さて、この『17歳のカルテ
主演のウィノナ・ライダー自身も
境界性パーソナリティ障害を病んでいるそうで
この原作に惚れ込んで映画化権を買い取り
制作総指揮を買って出たという力の入れよう。
その内容や批評はまたみっちりやりますが
この作品での熱演でアカデミー賞ゴールデングローブ賞
などの助演女優賞を総ナメしたのが新人アンジェリーナ
その彼女もまたウィノナ・ライダー同様に
深い傷を負いその後遺症を背負っていたわけです。

邦訳は『思春期病棟の少女たち』
作者スザンナ・ケイセンの自伝的作品だそうです。
映画の制作クレジットは1999年ですが
当然原作はそれ以前の60年代ですから
舞台背景や環境は現在より精神疾患に対する
世間的な理解は偏見に満ちている。
かといって今現在それがどれほど理解されてるか?
それはわかりませんが。
日本公開は2000年。
その当時日本では17歳の不可解な犯罪などが
社会を騒がせた時期でした。
そこから15年・・・
時代は、若者は、いや大人も含めてすべてが
混沌としているわけだ。

この混沌・・・他人事?

自分さえよければ
という思想には
自分のことで精一杯
という正論が用意されている。
大義名分だよね。
そんなものを頼りにしないと
生きてはいけないところに不自由がある。
正直辟易しているんだよ
心あるものたちは
その葛藤に苛まれている。
だけど
強さや勇気はそっちの方向じゃない。