あかんたれブルース

継続はチカラかな

醤油ラーメンとは和解したけど

男は黙って醤油ラーメン・2


わたしがあの映画館でなぜ動揺したか
それはカツ丼と醤油ラーメンのボリューム
だけではなく、味噌でもなく塩でもなく
敢て醤油であり、断然醤油だという
健さんの主張があったからだ。

健さんと同じ
九州出身の自分が上京して
大きなショックだったのはラーメンが、
マズイ!ことだった。
千駄ヶ谷で食っても梅が丘でも食っても
経堂でも五反野でも方南町でも
そして東松原でもどこで食っても不味い
そして同じ味醤油味のラーメン
そしてなぜかすずらん通り
なぜか「大むら」という店がやたら多い。

そりゃねえ、荻窪とかどこかには
旨い東京ラーメンの醤油ラーメンもあったでしょう。
知らないからねえ。それに
今と違ってそういう店も少なかった。
ホープ軒ぐらいだったよね。
そんななかで道産子札幌ラーメンぐらいが
慰めのぎりぎり安全軒だったと思う。

そんな頃に北海道旅行で食べた西山ラーメンは
旨かった。下手な九州ラーメンより旨かった。
だからわたしは味噌より醤油より
断然塩なのでした。
なのになんで健さんは醤油と言い切るのだろう。

そこから

守破離を持ち出すものも大げさですが
カリスマ健さんに背を向けるようになった俺
それは『 駅 STATION 』で
いしだあゆみを泣かせたからだ。
そのストイックが理不尽に思えた。

俺は醤油じゃだめなんだ。やっぱり塩だよね。
サッポロ一番のインスタントなら味噌だけど。
中華屋で(醤油)ラーメンなんか絶対頼まない。
だったら「タンメンください」

決定的になったのは
『居酒屋兆治』で大原麗子を泣かせたことだった。
俺の心の中でいつまでも冷たい雨に濡れた
さよが泣いている・・・

タンメンください!

醤油と和解をしたのは荻窪で食った
春木屋のラーメンからだった。
これもアリかな、と。
ただ健さんとのわだかまりはずっと後をひく。

さよが消えない。

降旗よ酷い映画を撮りやがって
俺はトラウマだよ(涙)

君は憤怒の河を渉ったか
僕は糞土の河で立ち往生だよ(汗)
でも
俺は英治みたいにはやれない。
健さんのようには生きられない。
不器用だけど貫けないんだ(涙)

人が心に思うことは
誰も止めることはできない
https://www.youtube.com/watch?v=QoyEK8ETkKg

それにしても
いしだあゆみ、田中裕子、賠償千恵子
そして大原麗子・・・
高倉健と共演した女優はみな美しい

救われたのはその『網走番外地 南国の対決』で
その前の年と『網走番外地 北海道篇』同様に
可愛らしい大原麗子に会えること
それとサントリーレッドのCM動画のように
わたしの感傷は慰められる。

観てないんだけど
健さんの数少ないテレビドラマ『あにき』で
大原麗子は妹役だそうです。
生まれ変わって二人は兄妹になったのかな
これも解毒剤になるかなあ・・