あかんたれブルース

継続はチカラかな

予め定められたハッピーエンド

男は黙って醤油ラーメン・16


久々に『幸福の黄色いハンカチ』を観ました。
公開時に見たっきりだから37年ぶりだ。
その間、何度もテレビ放映もされたでしょうが
再度観ようとは思わなかった。
別に悪い作品とは思わないけれど
どんなに記憶が曖昧になっても話の筋立ては忘れない
忘れるわけないハッピーエンドなのだから。
なにかを確認するほどのこともない
と考えていたからでしょうねえ。
再度観る機会を与えてくれたのが
健さんの死去というのも
なんか因縁、ご縁のように感じます。
お座成りの追悼記事じゃない思いを込めて
ここまできましたが、そろそろ幕引きかな。
最後に、補足として

高倉健の演技が下手だって声に対して

大スター、主役俳優というものは
別にそう上手くなくてもいい。
それこそゲーリー・クーパー、ジョン・ウエイン
菅原文太もそう上手いわけじゃあない。
それ以上の何かは求められるけれど。


健さん映画のマンネリに対して

これは大スターの宿命だね。
役者のせい、というよりも制作者側の問題。
商業映画のマーケティングの罠みたいなものだ。
ゴジラも寅さんもみんなこれでやられた。
それは私たちも加害者ってことです。
もっともっとそうじゃなくちゃあ納得しない
そして、飽きてしまうのだ。

これじゃあやくざしか演じられないと
東映を離れた健さんにとって
1977年の『八甲田山』と『幸福の黄色いハンカチ
この二本の作品は彼のその後の映画活動における
エポックとなったはずです。

結局、最後は制作者側が高倉健という俳優を
持て余してしまう結果となったわけだ。
これもいろいろな意味での宿命ですかね。

それでも、マンネリでもいいじゃないか!
とわたしは開き直りたい。
ハッピーエンドでもいいじゃないかと。


幸福の黄色いハンカチ』について

たぶんこの作品ではじめて
高倉健から
「不器用」という台詞が出たのではないか?
とすれば犯人は山田洋次

たしかに健さん倍賞千恵子に対する愛情は
独りよがりで不器用そのものだった。
マッサンを見てるようでイラついたよ(笑)

でもその愚かさは、許せるんだなあ・・・

この作品で倍賞千恵子の場面は少ないけれど
彼女の存在は大きい。
やはり山田洋次の伝家の宝刀なのでしょう。
高倉健を引き立てのは倍賞千恵子だね。
美しい女性だと思う。

美人女優だったらたくさんいるよ。
でも私的には彼女が一番美しい。
寅さんにリリーなら
健さんには倍賞千恵子、だよなあ

でも健さんの最後の女は田中裕子だった。
それはそれでいいんだ。
田中裕子は美人ではないけれど美しい。
『夜叉』を観ておくれ。

それを考えるとヒロシは果報者だよな

日比谷から千代田線で長~いトンネルを抜けると
荒川にかかる鉄橋で光がさす
その河川敷を堀切方面に眺めて
前田吟でもいいかなあ」と呟くのであった。

でもなあ、いまの女房はピン子だし(汗)
役者はつらいね。