あかんたれブルース

継続はチカラかな

脇役の文太を味わう

山守さん弾はありゃせんがの(10)


文太追悼の思いもあって
『緋牡丹博徒お竜参上』を楽しみました。
藤純子綺麗です。
この一世を風靡した人気シリーズで
文太は相手役をつとめているのですが
これがなかなかよい。

ちょっと別口で鶴田浩二の『博奕打ち』を観てて
共演の待田京介と文太が重なった。
はあはあ、文太の一途はこの系統だなと。
ただ、文太の場合の色気は
待田京介よりシャープだ。
それはきっと目の大きさ細さで現れてのかな(笑)
待田京介を忠実な番犬とするならば
文太はやはり野良犬の臭いがする。
それがとてもセクシーなのだ。

この両作品には若山富三郎が出てるのですが
ぶっとんだ(笑)
面白い俳優ですねえ。
若山もお竜さんにくびったけですが
あれじゃあねえ(汗)
お竜さんは、文太に転びそうですよ。
まさに男子の本懐だ。

もう一本『日本暗殺秘録』も観覧。
文太も純子も鶴田も若山も総出演ですが
オムニバス形式なのでそれぞれちょびっとだ。
実質的には千葉真一の主演作という感じ。
文太は安田善次郎暗殺事件の朝日平吾
ほんの数分でおしましい。
健さんも相沢事件の相沢三郎でほんの数分。
散り花を咲かせた。

ちょっと話がずれますが
この作品の千葉真一がまあまあよいです。
千葉真一の俳優としての最高傑作は
深作演出による『仁義なき戦い広島死闘篇』
大友勝利役の大熱演だった。
生涯一度の怪演だったのではなかろうか。
これが不味かった。
千葉ちゃんはその後の『沖縄10年戦争』や
『実録外伝北陸代理戦争』で空回りしてしまう。
こういう突っ張った演技は
たけしの『アウトレイジ』の役者達の気負いと一緒で
まったくリアリティーがないというか無残そのものだ。
この『日本暗殺秘録』での千葉ちゃんは
肩に力がはいらず自然体でまあまあよかった。
ほっとしました。

自然体といえば『博奕打ち』での小池朝雄が見事です。
刑事コロンボの声の人ね。
とにかく上手い。
善玉やらしても悪玉やらしても良い俳優だ。
仁義なき戦いでも
『広島死闘篇』『頂上作戦』で
見事に咲いて散ってくれた。

さて、文太追悼でもう一本
『海軍横須賀刑務所』
主演は若山じゃないよ勝新太郎でした(汗)
さてさてどんなものか
楽しみです。