あかんたれブルース

継続はチカラかな

映画と人生と糞尿



そういうわけで『海軍横須賀刑務所』を
観たのですが、なかなか面白い。
大映兵隊やくざ東映でやった感の痛快でした。
こういうのは『人間の条件』の後の口直しに
よいのではないでしょうか。

陰湿な海軍のイジメが大きくクローズアップ
されていました。
こういう映画にクレームをつけるのは
右翼筋でしょうか?左翼筋なんでしょうか?

軍隊というもの、組織というものの
一面を描いていると思いますけどねえ・・・
だめなんですか?

お前等バカか!

『人間の条件』では、最後の最後に仲代達矢
ブチギレて金子信雄を糞尿の肥え溜めに
沈めて殺すシーンがある。
たぶんこれが最上級の復讐と考えたのでしょう。
平和主義もいたって残酷だ。

『海軍横須賀刑務所』でも便所に落ちた
金時計を拾う場面があります。
原作からこれは実話がベースなんでしょう。
山上たつひこ『光る風』同様に
汲み取り式便所に入って潜るなんて・・・
残酷とは違った意味で、衝撃的です。

いまの人たちは生まれたときから
水洗トイレだからこういう恐怖ってピンとこない?
新宿も渋谷も映画館もどこでも
公衆便所は臭かったし汚かった。

レ・ミゼラブル』で
ジャン・ヴァルジャンがマリユスを抱えて
下水道から逃げるシーン
そこは糞尿の肥溜めのなかだ。
対して
法の正義という信念が揺らぎ絶望した
ジャヴェール警部はノートルダム橋の欄干から
投身自殺しますが、その水は美しい。

対比として、生は汚く死は美しい
なんでしょうが。

なんか煮え切らなかったな。

海軍横須賀刑務所には終身刑の文太がいた。
嗚呼、日本の文太ジャン!
元海軍中佐のインテリを堂々と演じておったぞ。
勝新太郎の相手役として十分光っていた。
こういうクールな役も栄えますねえ。

『海軍横須賀刑務所』ストレス解消にいいです。
しかし勝新はずんぐりしてたなあ(笑)