あかんたれブルース

継続はチカラかな

豚小屋に放火したぜ(汗)

山守さん弾はありゃせんがの(11)


文太供養に『血染めの代紋』を鑑賞。
公開は1970年なので、仁義以前の作品。
任侠と実録のミックスもので
鶴田浩二待田京介などが共演してる。
主役は、文太なのですが
なぜかクレジットは梅宮辰夫が先です。

監督は深作でシナリオも半分担当。
もう一人は不良番長シリーズの内藤誠だとか。
このあたりの中途半端が作品にも表れてしまった。
なんか煮え切らないデキです。

いつどこでだれが・・・
昭和40年、戦後の混乱期に跋扈したやくざ集団は
当局の取り締まり強化から壊滅状態に陥っていた。
(たぶん神奈川県川崎あたりの)スラム街の
地上げをめぐって3つの暴力団の抗争を描く也。

このスラム街出身者でもある文太親分は
この仕事に乗り気ではないのですが
組存続運営のために断腸の思いで引き受ける。
家長はつらいのだ。
しかし設定として難しい・・・案の定
前半はスラム街の豚小屋に放火するなど
エキサイティングなのですが
途中から中途半端に良い文太親分がめきめきで
収拾がつかなくなって最後それで血染めの代紋
となりました。

こういう見逃し四球で(昭和)館を出ることが
東映作品には実に多かったものです。
10本中8本ぐらいは覚悟の上田馬之助

前半の文太四代目組長のスーツ姿、良いです。
あとは文太の子分としては珍しく
室田日出男とか曽根晴美が配されていた。
せっかくなのでもっと凶暴に暴れてほしかった。

関山耕司が相変わらず、恐い(笑)

この作品はB級の併映作品なのでしょうが
それでも脇役に顔見知りの悪役が出てると嬉しい。
東映はオールスターが売り物ですが
それとは違った意味でいつもオールスターだ。

あとはスラム街(貧民窟)ロケーション
在日らしき人々もいた最底辺の人たち
国有地に勝手に住み着いているのですが
現代であれば、やくざではなく
市民団体とか未成年者のターゲットになるわけだ。

人権とはなんだ。教育とはなんだ。

結局、文太も梅宮も敵の親分と刺し違えて散る。
観客の欲求不満は昭和45年にピークだ。
そして、『仁義なき戦い』が生まれる。
最後まで煮え切らないのは同じでも
その過程でいくつも溜飲を下げさせてくれた。
便秘の下剤スーパーどかんだ。

そりゃそうだよなあ
もっと言えもっとやれと鼓舞した。
菅原文太は俺らのヒーローだった。

そんな良い人ではなかったが
そんな悪い人でもない
等身大の