タイトル負け企画倒れ
昭和という時代にはある種の緊張感があって
注意していないとうんこを踏む
いまと違って道端にうんこがあった時代です。
最近レンタルDVDで古い昭和の作品が出ています。
量産されたなかから敢てチョイスされた
わけだからそれぞれまあまあなんだろうと
油断してたら、うんこを踏んだ。
日活の『競輪上人行状記』がそれです。
主演が小沢昭一の喜劇だという。
このタイトルとパッケージに騙された。
オープニングの音楽から嫌な予感がしたんだよなあ
喜劇じゃないじゃないか(涙)
高校の教師が兄の急逝で実家の寺を継ぐことに
その紆余曲折の顛末はギャンブルが絡んで
ラスト競輪上人が誕生するまでが描かれている。
こんなの
98分の作品中、(最初と最後の)8分で
事足りる感じでなかったかと。
むしろそこから先を描いてほしかった。
なんでこういう作品を持ち上げるんだろう?
そういうことをいうと度量が小さいとか
観方が浅いとか煩いのですが
面白くないものは笑えない。
喜劇でもなんでもないじゃないか。
主人公の小沢昭一はダメな人間です。
それも中途半端にダメなので始末が悪い。
これとは別に先週『博奕打ち』で山城新伍が
超ダ~メな人間を演じていた。
滲み出るようなダメさ加減ですが
どこか憎めぬ愛嬌があって
そのおかげで二人死んじゃうのですが
そのことが気にならない(笑)
対して小沢昭一の方は教師という設定もあって
身勝手な人間としかうつらない。
これをどうして怪演と評するのか?
東映モノではハズレの遭遇は免疫がありますが
日活とか大映とかでモノクロのリバイバルで
これをやられるとお手上げですね。
迂闊でしたよ。
興味をひいたのは
昭和30年代の東京の風景
舞台の場所はどこだろう・・・
上野から浅草、千住が登場しますから
東武線の堀切あたりなのかなあ?
松戸競輪が出てきます。
いまだと近くに山崎パンなどのデカイ工場がある。
殺風景なところだよ
あんなところまで車券買いにいくのかあ
負けて帰っていくときはさびしいねえ。