あかんたれブルース

継続はチカラかな

牛に蹴られたカルメン



カルメン故郷に帰る』を観て
可愛い女のアホさ加減にしみじみ唸る。
ヒロインのリリー・カルメンは小さいときに
牛に蹴られてアホになったそうで(涙)
18歳になっても洟を垂らしてたと
父親は嘆くのでした(笑)

浅間山をのぞむ北軽井沢が舞台。
この牧歌的な田舎町に家出して東京でストリッパー
となったカルメンは芸術を引っさげて
故郷に錦を飾るわけですが
なんともそれが滑稽でねえ。

前回の『放浪記』が東宝の30周年記念作品
ならばこちらは松竹の30周年作品。
日本初のカラー映画で製作には大変な苦労が
あったそうです。
もしも万が一のためにモノクロ版も
製作してたと。焼き直しじゃなくて
撮りなおしてもう一本製作したってことです。
松竹と富士フイルムは気骨がありますねえ。
プロジェクトXで取り上げてもいいぐらの話だ。

そして高峰秀子の年中日本晴れの脳天気さが
なんとも可愛い。
その牧歌的な世界とのギャップがね。
ファッションもオシャレで可愛い。
わたしの個人的な趣味ですが
女性のノースリーブの腕の付け根と脇の
割れ目のふくらみがなんともセクシーなんだな。
イヤらしい意味じゃなくて健康的
といっても信じてもらえないかな(涙)

結局、カルメンの芸術は理解されないのですが
みんなを幸せにしていきました。

『スリッパー血風録』というノンフィクションの
傑作があるのですが、
この当時、ストリッパーになるって
女性にとっては屈辱的な奈落の底みたいな
イメージだったようです。
そういう陰湿さがカルメンには微塵もない。
アホだから?

女性差別になるんでしょうか
ちょっと足りないのって魅力的だ。
外国人のエリーの言葉の壁から
ちょっと足りないと表現しましたが
それに通ずる可愛らしさがあります。
なんでも知ってるやり手婆みたいな女性って
引くんだよね。

寅さんの魅力もそこじゃないかな。
そういえば寅さんのパートナーも
リリーといったよね。

賢さというものの尺度を
見直すべきなんじゃないかなあ
無論、可愛さに対しても