あかんたれブルース

継続はチカラかな

自己中VS卑怯

風と共に風立ちぬ(2)


先日久々に『風と共に去りぬ』を
観てました。
後半からでしたけどね。

原作ふくめて映画史上不朽の名作
なのですが、そのヒロインはというと
ワガママで自己中の鼻持ちならない美人。
性悪女といっても過言ではない。
ところが、殿方はこういうタイプになぜか弱い。
完璧な男、バトラー船長でさえも。
このわたしでさえも過言ではない。
いまでは反省してますが(涙)

スカーレットは父親の気性をそのまま受け継いだ
ということになっている。
名優トーマス・ミッチェルが演じています。
因みにこの年のアカデミー助演男優賞受賞
ですが、『風と共に去りぬ』ではなく
駅馬車』の酔いどれ医者を演じてのもの。
1939年だよ。戦前も戦前、
日本がノモンハン事件の頃の作品なのだ。

さて、このスカーレットの父親は
アイルランドの移民で一代で財を成したんでしょう。
自負心、独立心が強く、それを南部魂とか
ケンタッキー魂とかフロンテアスピリットとでも
いうんでしょうかねえ。典型的な頑固親父ですが
そのプライドには決して貴族的な振る舞いを嫌う
清廉さもあった。
と同時にそれは自己中心的にもなる。
それをスカーレットは色濃く受け継いだわけだ。

この父は南北戦争の敗北ですべてを失ってしまい
惚けてしまいますが、旧知の知り合いから
理不尽な扱いを受けて激怒し、シラフに戻ったか
「卑怯者!」と馬で追って、落馬して死ぬ。

コイズムと卑怯・・・
どっちが汚いかとすると
卑怯のほうが断然許せないものなようです。
色々考えてみるのですが
ピカレスクロマンの登場人物はみなそれぞれ
エゴイストですが、それで話が展開できることから
やっぱり卑怯者のほうが許されざる者
なのでしょうねえ。

では、スカーレットの言動をみていくと・・・
かなり卑怯な行いが目につく(汗)
これでよくこの大河ドラマのヒロインを
演じきれていたものだと感心もするですが
それはきっと彼女の美貌と魅力のせい?
だったのかなあ

あのパーフェクトさんのバトラー船長でさえも
翻弄されるわけですから。