あかんたれブルース

継続はチカラかな

ビルマの変な婆さん



ビルマの竪琴』(中井貴一のリメイク版)で
変な日本語を操る現地の婆さんが出てた。
演じていたのは北林谷栄
おばあちゃん役で親しまれた女優さんですが
『前略おふくろ様』の第一部で
料亭「分田上」の女将を演じていました。
それがなんとも凄みがあった。
元は「深川小町」と呼ばれた美人芸者。
生粋の江戸っ子で口は悪いが人情には厚い。
また物事の本質を見抜く確かな目を持っている。
という役柄。

主人公サブちゃんと屋台のおでん屋での場面
その手にする煙草がなんとも品があって
うっとりしたものです。
それがあのビルマの物売りの婆さんだ。
そのギャップにくらくらきちゃった。

歳をとる、老いる、ということは
なにかさびしいものですが
考え方によってはそう悪くはない。
この北林谷栄が演じた老舗料亭の女将の
「物事の本質を見抜く確かな目」といものは
年期がものをいう。
年取っても身につかないのが
ほとんどですけどね(汗)

そういうジレンマから
若い頃はやたらはやく歳をとりたかった
ものです。
枯れるけれど深みも出てくる。
とは別に
持って生まれた資質っていうものは
大きいものだと思う。
そういうのは料理でいえば素材であって
経験から養うのは味付けなんでしょうねえ。

いずみやしげるの『春夏秋冬』の歌詞に

 横目でとなりをのぞき
 自分の道をたしかめる
 またひとつずるくなった
 当分てれ笑いがつづく

なんてえのがありました。
よく四十半ばになって、もうそろそろいいだろと
好き勝手いいだす人がいます。
それまでずっと我慢していたんでしょうねえ。
せつなくもありますが
そのよしあしは人それぞれで
それが単なる開き直りかどうか
それもまた個人差があるものです。

わかったようでなめてかかると
痛烈なしっぺがえしを喰らう
これもまた世の常
四十過ぎてから、からが長いんでしょうねえ