あかんたれブルース

継続はチカラかな

外から内からのスローなブギ



先月、久々に地元に帰ったとき
道を歩いていて友人でも知人でも
ましてや顔見知りでもない人たちから
「おはようございます」とか「こんにちは」とか
声をかけられて面食らった。
わたしはこの土地で生まれ育ったけれど
十八のときに親を捨て国を捨て、37年
いわば異邦人ストレンジャーなのだ。

それも近所の人とかじゃないんだよ。
小雨がぱらつく朝
地元の病院に透析に向かう道すがら
笊を洗ってるおばさんからおはようと声をかけられ
ハッさせられたのががじまりだった。

こっちとらすっかり都会の絵の具に染まって
知らず知らず鎧を羽織っていたんだね。
その言葉が声がアプローチに一瞬たじろいでしまてね。
「あっ、おはようございます」
ほんの少し返事のタイミングが遅れて
その返答の声が震えていたかもしれません。
不意をつかれちまったのさ。

二軒しかないコンビニまでテクテク遠征して
ATMでお金をおろしにいったとき
軽トラのおばちゃんが右折するとき
立ち止まっているわたしに
「こんにちは」と頭をさげていった。

後家殺し?地方では俺のフェロモン土石流?
それは冗談として

雨上がりの小さな路地の軒下で
シャボン玉をふく女子中学生がわたしに気づいて
「こんにちは」
港で釣りしてた高校生の男子二人組みが
「こんにちは」

学校でそういう指導してるんでしょうが
東京では考えられないよね。
地方、田舎といっても一応「市」なんだよ。
港町で柄の悪い気性の激しいところですが
その反面こういう素朴で温かいところが
あったんですね。
そのことを地元の友人に話したら
彼も納得しておりました。

実は、地方ってもっと
閉鎖的で排他的かと思っていた。

地方が田舎が故郷が良いとか悪いとか
そんな話ではないんだ。
若い頃、
道を歩いていてその脇咲く花に
気づくことがなかったんだ。
四十なかばを過ぎた頃からそれに気づき
ときには立ち止まってしまうことが
多くなったものです。
若い頃は前に前にと自分のことしか頭になくて
物事に対してもある側面しか見ていあっかった
のでしょうねえ。
余裕がなかった。未熟だったんだろう。

海外旅行をするとその非日常から
ある種のカルチャーショックというか
刺激を与えられるものです。
それに似てるのかもね。
環境の違いも大きいですが
それと同時に、
自分自身を見つめるたりもして
なんか浄化というかリセットというか
精神的な透析を受けたみたいだった。

気分は
スローなブギにしてくれ
https://www.youtube.com/watch?v=_NZjcejrZgg
こんな感じ