あかんたれブルース

継続はチカラかな

悪夢と現実の間組

女は変わる。2


新宿歌舞伎町風林会館の前を通って
区役所通りを歩いていると
自販機の前で屈みこんでいる女子が一匹。
「お嬢さんどうしたの?」と声をかけました。
その声に眩しそうに見上げた下膨れの顔が
ベソかいている。
「ちゅーえん落としたよ」

チューエン? ああ10円ね。
自販機の横の赤い公衆電話を使おうとして
誤って10円を落としたようです。
それが自販機の底に入ってとれないみたいだ。
屈んでみてみるよ奥の方まで転がって
「こりゃ無理だねえ」
「チューエンないと困るよ」
「お嬢さん中国の人?」
「天津から船で来たよ。甘栗金飩申します」
「日本語上手だねえ留学生?」
日本語学校通って夜は三平ストアで働きます」
「そうなんだ偉いねえ」
「家賃は18000円風呂なし共同便所
 食費は店で貰っているので助かるよ」
苦学生なんだ」
「だからちゅーえんないと困るのことよ」
「あんな奥に転がっちゃ無理だね。
 ほら10円だったらこれ使いな」
「ありがとございます。日本人やさしい」
「いやあ10円ぐらい大したことないさ」
「これで電話がかけられるね」
「どこにかけるの?」
「ひゃくちゅーきゅーぱん」
「えっ?救急車?」
「消防車はなんぱんか」
「火事なの?」
「アパートが火事あるよ」
「えっ、火事って・・・」
「燃えてるよ」

「それを早く言わんかい!」

というわけで木造モルタルのアパート全焼。
「燃えてしまったよ行くことないよ(涙)」
と泣く甘栗金飩さんに同情して
「だったらしばらくウチにおいで」と言ったが最後
それから30年・・・こ~んな顔して
「馬さん朝たよ起きろ起きろ」
う・・・ん
「朝飯激辛回鍋肉コラ起きろ」

はっ! ・・・夢かあ 我にかえる

寝汗でびっしょり・・朝から中華じゃなあ
寝床から起き出してキッチンへ・・夢でよかった。
昨夜寝る前に変な記事アップしたからだ(汗)
夢でよかった。
煙草とライターを手にベランダに向かう
隣の部屋から歯軋りとうめき声
「お前の物は私のもの私の物は私のもの・・・」
おぞましいカミサンの寝言だった。

悪夢は現実となっていました。
変わるんだよなあ・・女は(涙)。