あかんたれブルース

継続はチカラかな

雰囲気に弱いのは女だけじゃない



映画『永遠の0』いかがでしたか?
特攻隊を美化してたか?

個人的な感想としては
時間の制約もあって主人公が
ただ逃げ回っている凄腕搭乗員というところだけ
がピックアップされていたのが少々残念でした。
また、田中泯のやくざが窮地の母子を救う
その場面も回想としてでも入れてほしかったな。

原作者の百田尚樹を極右呼ばわりするけれど
ある意味でこの作品が反戦作品であることから
そういうレッテル貼りはいかがなものか?
というか、ある程度太平洋戦争の知識がある
正統派の歴史ファンであれば
無謀な戦略、人材軽視などスタンダードな
ものだと思うよ。

この作品のポイントは雰囲気の恐さだと思う。
誰だって死ぬのは恐いわけで
それぞれが大切な人がいたわけです。
それを言えない、そういうスタンダードが
あの時代にあったことを
百田尚樹は表現したかった。
そしてそのために主人公は帝国海軍随一の
臆病者として描かれたわけですよね。

もうひとつ付け加えるならば
この特攻という戦術に対して
ベテラン搭乗員や現場指揮官(中間管理職)の
ほとんどが否定的だったってことです。
「そんなんじゃ腕も技術もないじゃないか!」と
特攻の生みの親とされる大西瀧治郎でさえ
例外ではなかったのだ。

なのになんでこんなことに・・・

今でいえば新国立競技場みたいなものじゃないの。
あれよあれよであららら・・・
一応、新国立競技場は白紙撤回されたけど
戦前戦中はそうはならなかった。
国民の国家の雰囲気が許さなかったんだ。
誰が煽ったことやら・・・

雰囲気ってものをカタチで表すとしたら
世論ってことになるんでしょうねえ。
その意味でマスメディアってものは
昔も今もそのスタンスは何も変わっていません。
昔も今も煽ってる張本人なのだ。
また、野党の姿勢は戦前のイケイケ連中と
逆な意味で同じではないか。
一見安保法制に反対し平和の死守みたいな
パフォーマンスを演じていますが
非常に危険な行為だと思う。

そういうマヤカシやトリックに扇動されては
いけないんじゃないの。
是々非々をいうまえに、もっと歴史に
正面から向き合うことが大事なんじゃないのか。
『永遠の0』はフィクションかもしれないけれど
そのベースとなってるソースは
すべてこれまで語りつくされてきた
歴史の事実を積み重ねて構成されているものです。

ともかく、お調子者のバカ右翼バカ左翼の連中の
御都合主義便宜主義お銚子一本に乗らないで
個人個人が責任ある言動をしてだね
この世論という曖昧で頼りないものの
雰囲気をどうにかするのが
大事なんじゃないではないでしょうかね。