あかんたれブルース

継続はチカラかな

天網恢恢クシャミ白髪三千丈



『クラッシュ』(2005年)を観る
と、トリックスターさん風に書き出しておいて
因果はめぐる糸車
と、NHK人形劇『新八犬伝』風に急カーブ
まったくめんどくさいオヤジさ(汗)
そんなわたしが何が嫌いかっていって
ナマコとナタデココ
意味もなくクシャミのデカイオヤジが大嫌いだ。
それが身近にいるから困ったもので
中一日当番のクリニックの隣の隣のベットの爺が
意味もなくデカイクシャミで自己主張するので
イライラして「うるさい馬鹿」と声にするのですが
相手は耳が遠いので馬耳東風。
この爺が隣町の地主で
やたら態度がデカイからムカつく。
ここは居酒屋じゃなくて病院なんだから
注意しろよと今度という今度は看護士長に言ったる。

温厚なわたしがなんでこう喧しいかというと
以前、朝の血糖値が高いのを詰られて
ついついバナナを1本食ったと(実は2本)
告ったらさあ大変、
鬼の首でも取ったようにダメダメ言語道断
「えっ、一番安いフィリピンの小ぶりなやつ」
と弁明しても許さない(実は2本)。
「半分にしろ」とか「モンキーにしろ」とか
なんかとんでもない劇物でも食べたかのように
凄い剣幕で捲くし立てる院長更年期。
こんなヤツと同級生かと思うとヤーよ。

という
食い物の恨みその遺恨の伏線があるのだ。

そんなわけでこの『クラッシュ』は
世知がない現代社会の
それも人種の坩堝たる米国での
差別、偏見、愛憎を因果の糸を綿密に
編み込んだ作品なのだ。
いくつかのまったく関係のない
人間同士の二日間の物語がやがて
ひとつに繋がっていくというもので
緻密な構成で二回ぐらいみないと
完全に理解できないかもね。
というのも、わたしゃ古い人間で
外人の顔がどれも一緒にみえてしまうんだな(汗)。
そのへんの年寄りと同じだよ(涙)。
ハッ八ッ、ハックッション!っとくらああ
どんな問題。

悲劇と奇跡ってほんの噛みあわせの差なんだね。
また誠実と謙虚さがほんの少しの救いにもなる。
そして、ユングのシンクロのように
みんな繋がっているんだよなあ
としみじみ

いや~あよく出来た作品でした。
に比べてココ最近の日本映画のグダグダした
トレンド・・・なんとかならんかね。
芸術とか感性を履き違えている。

この作品を観ながら差別嫌いのわたしが
なぜこれほどまでにコリアを嫌うのか
よーくわかりましたよ。

差別と偏見と人間愛・・・考えるのに
よいテキストです。
今、無料配信で鑑賞できまっせ
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00274/v09554/v0937700000000536940/?list_id=2031943
ハッ八ッ、ハックッション!っとくらああ