あかんたれブルース

継続はチカラかな

総理はつらいよ



SAPIO 09月号で
ちょっと面白かったのは
先鋭的な論者の小林よしのりのスタンスが
安倍さん批判を前提としての
憲法重視だったこと。
それを象徴するように
ゴーマニズム宣言スペシャルとして
大東亜論(自由民権篇)と題して
若き頭山満板垣退助の議論の段を
それはそれは熱く描いていました。
五箇条の御誓文かあ・・・

「日本にとって米国との出会いが
 民主主義との遭遇ではない」には同感であり
そこに頭山らの自由民権運動があったことも
まことに意義なし。ではあるのだけれども
それを現代にもってきて通用するだろうか?

そりゃねえ小林さんみたいに
根性すわった不屈の魂胆を有する人たち
ばっかり、だったらいいけれど
いつの時代でも民衆とか国民は
ひ弱でさもしいものが大半をしめている。
その主張が正論であっても
正論であればあるほど敷居は高くなってしまう。
こんなことをいうと怒られそうですけど
現実的ではない。
そのことは彼自身も承知うえのでのこと
なのかもしれませんけどね。
そこに悲壮感が漂うわけだ。

最終的に安保法案は賛成か反対かの
二者選択になってしまいますが
原発と同様に賛否同士のなかに
異なった意見が派生してきているようだ。

そんな傾向のなかで例の表現手段として
ある共通のやり口を発見しました。
それは、
「取りあえず安倍さんを批判しておこう」

これだったらまず間違いないと。
ビールと枝豆のようなコンセプトですが
なかなか効果のあるお呪いだとも思った。
賛成でも反対でも
取りあえず安倍さんを批判しておけば
なんとなく説得力が増す。

安倍さんの祖父は「昭和の妖怪」として
今でもマスコミから唾棄してもお釣がくる
岸信介だ。
ひとえにそれは日米安保条約を締結継続させた
にあるんだと思いますが
昨今よく持ち出される日本が戦後
平和でいられたのは平和憲法のおかげ論ですが
実際のところは、
この条約のおかげだったことを
否定できる有識者はいないでしょう。
平和憲法うんぬんは建前でしかなく
本音は米国との同盟関係だったわけです。
ある時期までの
米国の力(軍事力とドルと経済力)という
神通力だったわけじゃないか。

それでも岸さんの汚名は消えない。
まさに孫子の代まで続いている。

もっともいえば、みんなが嫌いな軍国主義
その象徴だった東条英機に引導をわたしたのも
岸信介だったんだけどなあ。
なんか山県有朋みたいで不憫に思います。

安倍さんも「平成の妖怪」といわれるのだろうか
それで平和でいられるんだったら
いいんでしょうけどね。
しかし総理大臣ってつらいねえ。