高倉健・旅の道連れステークス
昨年の今頃あたりに健さんの訃報から
さんざん書き尽くしたはずなのですが
没後一年一周忌に
『君よ憤怒の河を渉れ』を観てから
あらためて高倉健について語りたい気になりました。
この『君よ憤怒』は健さんが古巣の東映を
追われての記念すべき第一作でもあります。
同じ書庫の菅原文太も東映を追われたもので
どちらも東映の看板スターであり
功労者にも関わらず、シビアな業界です。
さて、健さんの魅力は東映任侠映画の
「死んで貰います」のアレですが
そのストイックさに磨きがかかり
完成されていくのは東映を出てからですよね。
で、その魅力とはなんだったかと再考しれみれば
それまで生きていた世界から
なんらかしらの事情で排除されていった男
つまりある種の負け組なんだよね。
今日放映の『夜叉』ではやくざ→漁師
『幸福の黄色いハンカチ』では炭鉱夫→務所帰り
『駅』では狙撃反(刑事)→その後不明
『居酒屋兆冶』では高校球児(→プロ野球選手?)
が居酒屋の亭主みたいな。
それでも健さんは己の生き方を変えない。
不器用ですから
それがスネに傷もつ野郎どもにはたまらない
わけだ。わかるわあ
とここまで書いてたら1時になったので
5度目かの『夜叉』を観ました。
良い。実に良い作品だと改めて唸った。
健さんも良いけれど、この作品はなんといっても
田中裕子ですねえ。魔性の女
美人なのか小ブスなのかわからないは
中野良子もさることながらやっぱ田中裕子だ!
この沸き立つ色香はなんなんだろうか。
「色は年増にトドメさす」なんていいますが
「小ブスに」ですね。ノビしろがある。
『まれ』でむかし魔性でブイブイならした婆さん
その所以をみっちり痛感させられる。
まさに夜叉対魔性!
そして魔性の勝ちというラストのオチは脱帽!
いしだあゆみ(美人)との壮絶なデッドヒート
これも見物でした。
こっちの小ブスの勝ちか・・・?
いやまだ迷ってしまう。
健さんが東映を離れて12本目の作品か
それは『君よ憤怒』のヤメ検から始まった
健さんの「旅」の始まりだったといえる。
中野良子は結局ついてはこなかったけどね(汗)
健さんの旅の道連れは
駅・黄色いハンカチの本命倍賞千恵子を
おしのけて田中裕子がかっさらって
大番狂わせのハナ差の結果でしたかね。
因みにブックメーカーのオッズは
倍賞千恵子・・◎1.8倍
藤純子・・・・○5.6倍
田中裕子・・・▲8.1倍
いしだあゆみ・注16.5倍
大原麗子・・・×38倍
吉永小百合・・△52.7倍
大竹しのぶ・・鉄79.9倍
加藤登紀子・・兆108倍
池上季実子・・華800倍
田中邦衛・・・汁980倍
小林稔侍・・・洟1980倍
大滝秀治・・・爺2980倍
おっと審議の赤ランプだ!