NHK特集「この国のかたち」に感無量
昨夜は観れなかったのですが
NHK特集の『この国のかたち』
実に良かったです。感無量
前回は「“島国”ニッポンの叡智」
そして「“武士”700年の遺産」
日本人の倫理観の出所を掘り下げる
それは「公」という意識からであり
武士道から誕生したのだという。
もっといえば荘園から逃亡した農民から
それは育まれていったものだと。
わたしは、常日頃
なぜ日本人は同じ東洋人である
中国、朝鮮人とこうも違うのかと
思い知らされている一人です。
別にナショナリストとは思ってはいないけどね。
「科学的」な思考としてです。
先日記事にしたホンダの小型ジェット機開発でも
ああいったことは中国人や朝鮮人では
できないとマジ、思ったもんね。
金曜日のその思いが日曜日に解けた。
司馬さんのこの国のかたち
日本人という人々のこころのかたちの在り方が
その謎を解決させてくれのだ。
司馬遼太郎の叡智の凄みが改めて身に沁みた。
没後20年だそうです。
その死の直前、司馬さんはオウム事件に
心を痛めていた。
緊急というカタチでテレビ出演し
遺言ともいうべき警告を発していた。
この国のかたちの偏向に不安を感じていたんだ。
日本の近代化はまだまだ未完成で未熟だ。
司馬さんの『この国のかたち』
この名著、
この本のタイトルにさえ噛みつく馬鹿がいる。
それもいい歳をしたオヤジたちがだ。
どこで読みかじった受け売りなのか
嫌といういうほど耳にしたものです。
「日本人でありながら
日本を『この国』とは何事か」と。
安酒で赤らんだ顔で鼻をぴくぴくさせて
やたら鼻息が荒かったものだ。あほらし。
俯瞰するとか客観的歴史科学というのを
知らないのかオヤジ。
というよりも、この国という表記は
戦前の朝日新聞で社説に用いられ
軍部の兵隊坊主に睨まれて問題にされた
ことなんて知るわけないよねえ。馬鹿ですから
右翼からも左翼からも
オヤジからも批判されてしまった司馬さん。
似非インテリも批判する。
そうすることで自分を大きく見せようとする
チンピラ根性が蔓延していた。
日曜日の朝、TBSのサンモニを観戦して
毎度、腹立たしく理不尽で悔しく残念で哀しい
思いに駆られます。その後
ワイドナショーでゲラゲラ笑って口直し(汁)
日本の近代化はまだ途上であり未熟だ。
司馬さん曰く、それには個々の確立が自立が
重要だといっていました。
日本人が近代化を歩むにあたって
明治維新と太平洋戦争の敗戦という
大きな大転換期があったと思う。
司馬さん曰くその敗戦の序曲は
日露戦争戦勝直後の日比谷焼き討ち事件だとする。
そこから大迷走の時代に突入したのだと。
それは「公」の在り方の迷走だったとも思う。
あの日比谷焼き討ち事件の急先鋒だったのが
新聞社マスメディアであり、朝日新聞ではなかったか。
大阪中ノ島でデモ隊の先頭にたち
馬上から扇動したのは朝日新聞記者ではなかったか。
焼き討ちされたのは徳富蘇峰の国民新聞ではなかったか。
そこからこの国のかたちは変質していったのだ。
没後20年という歳月に
司馬遼太郎という文学者というよりも
科学者のようなこの先人の叡智が風化し
忘れ去られるのではないかと危惧していましたが
その活字の力はまだまだ健在のようです。
未熟であっても未完成であっても
この国に生きるものとして
この国のかたちは美しくあってほしい。
わたしゃそう思うけどね。