あかんたれブルース

継続はチカラかな

雨の日曜日に母の記憶をたどり

昨日は一日中しっかり雨
週末で役所もお休みで家でくすぶっていました。
と、母が唐突に「フッバン」に墓参りに行きたいと言いだす。

フッバン?

どういう字を書くのか地名のようす。
ここに母方の先祖代々の墓があるという。
母の祖父は島津氏族で市外のここあたりS町の出身だったそうです。
明治後期に市内に出てくるときに
そこの墓場所を近隣の方々に譲ってきたのですが
母が幼い頃はよく行ってお墓参りしていたものだとか

そんな昔の話・・母が墓入りに行ったのは小学校の頃だという
昭和3年生まれだから戦前の話ですよ。80年前
そういう墓地自体が現存するのかどうか
墓石がなくともその場所に行ってみたいと駄々こねる。
だいたいの場所は聞いたのですが
雲をつかむような話で市外なので土地勘もなくさっぱりです。
外は雨で、よけいにたよりなく感じた。

親友のアリがあの辺りの学区(小中学校)なので
電話してみました。
フッバン? その地名でアウトでした。
このとき彼は入院する先輩の見舞いに鹿児島市内に向かうため
車中だそうで、電話はそこまでだったのですが
昼過ぎに帰ってきたから行ってみようよと
逆に誘いに電話をもらった。
「今がいな?雨だらいコラ・・」 戸惑う わたし
車で回ってみるだけだという。ドライブでもしようと。
ま、お土産も渡してないのでほんじゃまとお言葉に甘えた。
10分位で実家の前まで迎えに来てくれました。

一ヶ月ぶりの再会の挨拶の後
アリがいうには、
見舞いに行った先輩にフッバンという地名を聞いたところ
その先輩の生家の近くで現在の寿町、旧ホウジワン
それ以前の「ミョウバン」のことだろうと。
どんな字を書くのかわからない。
ただ偶然にもアリの細君もその地区出身で
細君の実家の墓もそこにあるという。
お彼岸にはアリも細君とその御両親を伴って墓参りしてると。
奇遇でした。
といって、わたしの想像する(母の記憶から)
ようなものではなく各家々がポツンとポツンポツンと
ほら田舎の風景によくあるアレなんだそうです。

はたして探せるかなあ
これはアリもわたしも共通する思いでした。

寂れた市街地から車でほんの5分程度の
県道からの細い横道に入った小山一帯を
「フッバン」とか「ミヨウバン」という寿町という所でした。
細い山道をクネクネゆっくりと行く。
ときおり車を止めては「ほらアッコに二つ三つ」
といった具合でまとまったものではなく
道路沿いにひっそりと墓石が人家に寄り添うようにひっそり。
そして、「アッコが家の墓じゃっど」と指差したのは
この小山の頂上辺りの竹藪でそこの東側は削り取られていた。
その裏手に車を止めて竹藪の奥に土を盛った階段がある。
とても母は上がれない。

けれどもここが母がいっていた場所だ
と直感しました。

みょうな感慨があった。
ボケ老人の世迷事ではあったのですが
案外その80年前の記憶は確かにだったのかもね。
なによりもアリの細君の御先祖の墓が此処だという奇遇。
御縁を感じたのでした。

夏に息子が来る予定です。
それに合わせてサチコもクルマで帰ってくる。
そのときみんなで訪ねてみましょう。
ちょっとした我が一族のルーツ探訪になるかもね。