サチコの縁談（8）
権蔵に知恵つけて地元特産センターから
野菜をサチコに贈らせた。
台風あけで品薄でしたが見繕って適当に。
それが届くのが今日
10時過ぎにサチコから電話あり。来た来た
｢この間のあの人なんて名前だったけ｣
｢えっ、鬼瓦・・権蔵？｣
｢なんか贈り物が届いたよ｣
｢何が送ってきたの？｣
｢わからない。今届いて開けてないもん｣
｢開けてみなよ｣
｢いいのかなあ｣
｢いいからあけてみなよ｣
としらばっくれるわたしさ。
｢ヘチマ（島キュウリ）、紅乙女、野菜だ。私の欲しいものばかり｣
超ツボにハマったみたい。
｢お前が帰るとき買い損ねたって話を聞いて
送ったんじゃないか？｣
｢なんて優しい人！｣
権蔵、好感度急上昇だぞ。
海老で鯛を釣る
サチコは地産野菜で一本釣り。
そんなわけで
わたしの今回の旅路の果てでできることはここまで
後は権蔵、自力で頑張るのだ。
わたしは明後日の朝旅立ちます。
とはいっても
権蔵だけでは心許ないので
愛の今仲達ウマタロスは
恋の今孔明タッキーを呼んで
二人で絞った秘伝の策を
ファミレスで権蔵に伝授してきました。
次の台風雨戸の計
瓦の欠片の片付けの計
そして、俺が帰りは送っていくよの計
これが来月初旬の神無月ステークスで炸裂すれば
大穴、複勝でも万馬券まちがいない。
たのむぞ、権蔵。
まずは今夜の御礼の電話
しくじるなよ！
